国立科学博物館に“日本一のお子様弁当”を出す食堂
2003年4月1日
手掛けたのは「青柳」「日本料理basara」などを展開する小山裕久氏。以前から子供の「食育」にも取り組んでおり、1日平均1000人の子供たちが訪れる施設の食堂ということで、「日本一のお子様弁当を作って、子供たちに本物の日本料理を味わってもらいたい」と話していた。その弁当が新店の目玉として登場した。
漆塗りの重箱を三段重ねた豪華版で、中には四季折々の旬の素材を使った刺身や煮物、焼き物など、「青柳」仕込みの一品一品が美しく盛り付けられている。価格はランチメニューの中では最も高い2000円。もちろん、大人が注文してもOKだが、小山氏は「できるだけ子供さんに食べていただきたい」と強調する。
その他のメニューも、「恐竜の卵コロッケ」(900円)、「ミュゼバサラカレー」(800円)、「そば米雑炊」(500円)、「日本ラーメン」(400円)など、値段はリーズナブルながら、ひとひねりしたメニューが並ぶ。デザートは「マサイのババロア」「昔プリン」(共に400円)などのほか、ホールケーキも10種類以上と豊富に揃い、こちらも子供に喜ばれそうだ。
さらにディナータイムは「大人の店」に一変する。前菜、中菜、主菜、デザートを日本料理、西洋料理の中から好きに選ぶシステム(コース料金は4000〜5000円)で、貸し切りパーティーや国立科学博物館での人前式ウエディングも請け負う。「上野には博物館や美術館、コンサートホールが集中しているのに、アフターコンサートなどで夜に大人がゆっくり食事できる店が少ない」(小山氏)ため、昼は子供、夜は大人の“二毛作”戦略を打ち出したという。
博物館や美術館などの国の施設は独立行政法人化が進み、民間企業並みの経営感覚が求められている。そこで、博物館側が集客の目玉として繁盛店を誘致したという側面もある。地方自治体の施設も含めて、今後もこうした動きが広がりそうだ。(菅原 雅信)
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