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ミルン水平振子地震計 重要文化財

 ミルンが帰国する少し前の1894年頃に作った水平動用の地震計。記録方法は光学式で、光源には石油ランプを使います。振り子から長く伸びた軽い棹の先にスリットがつけてあり、暗箱にはこれに直交したスリットがついています。この2つのスリットの交点を通る光の動きをロールの印画紙に記録します。記録紙の送り速度が遅く、また、制振器がついていないので振り子のよけいな動きがじゃまになり、地震波のなかのP波・S波・L波のようなさまざまな相を識別するのが難しいという欠点がありましたが、ミルンの母国イギリスの国力を背景にして広く世界各地に置かれ、そのうちの1台はスコットの探検隊に託されて南極に行っています。そして、これが最初の地球規模の地震観測網となりました。このミルン水平振子地震計には8番の刻印があり、震災予防調査会がイギリスから買い入れ、その観測点の一つとなった東京本郷で使われたものです。