気象庁:日本近海が急速に酸性化…温暖化に拍車の恐れ
毎日新聞 2012年11月20日 21時45分(最終更新 11月21日 00時34分)
気象庁は20日、日本近海を含む北西太平洋で海洋が急速に酸性化し、84年以降は過去250年間と比べて約5倍のペースで進行していると発表した。大気中の二酸化炭素(CO2)が増加して海に溶け込んでいる影響とみられ、このまま酸性化が進むと海がCO2を吸収しにくくなり、地球温暖化に拍車がかかる恐れがあるとしている。
気象庁は紀伊半島南方の海域で、水素イオン濃度指数(pH)を定期的に観測。今年は北緯10〜30度でpH8.07〜8.12の弱アルカリ性だった。10年当たり約0.02の割合で低下し、産業革命以前から20世紀末の全海洋の酸性化のペースより大幅に早くなっていた。
酸性化が進むと貝類や甲殻類の小型化、サンゴ礁の発達阻害などの影響が出るとみられている。
また、気象庁は同日、昨年の世界の大気中CO2濃度が平均390.9ppm(1ppmは100万分の1)で過去最高を記録したと明らかにした。82年の統計開始以来、30年連続の記録更新となる。【池田知広】