脳脊髄液減少症:画像判定導入から1年 診断、治療法の向上模索
2012年11月19日
結果は、(1)国際頭痛学会2%(2)日本脳神経外傷学会10%(3)脳脊髄液減少症研究会52%(4)国の研究班30%−−だったといい、大きな開きがあった。また、国際頭痛学会の主要なメンバーが昨年4月に公表した国際頭痛学会の基準の改定案には、50%が合致したとした。
この他の発表者からは、「研究班の基準に合致しなくてもブラッドパッチの効果がある患者はいる。多くの患者をいかにして救済するかが課題だ」などの声があった。新たな画像診断法を提案する意見も続いた。
この疾患に関するセッションでは、国際頭痛学会の基準に当てはまる患者が日本で年間に5000人前後発症していると推計されることや、小児例の特徴や脳内出血を合併した症例が紹介された。さらに、新たな診断基準も提唱された。
◇合致しない症例も
セッションの司会を務め、研究班の班員である喜多村孝幸・日本医科大准教授は、研究の現状について、「研究班の診断基準がまとまったことを受けて、今春、ブラッドパッチが先進医療に認められたことは大きな前進だ」と解説する。そして「国の研究班の診断基準は、典型例を確実に診断するためのもの。この基準に合致しない症例が存在することが数多く報告されている。典型例でない人の診断には、今後も十分な研究が必要だ」と語る。
今月16日にあった日本頭痛学会でも、脳脊髄液減少症はシンポジウムのテーマの一つとなった。