フランス格下げでドイツさらに優位、政治的発言力もアップか
11月20日(ブルームバーグ):ムーディーズ・インベスターズ・サービスが19日にフランスの最上級格付けを引き下げたことで、同国の競争力をめぐるドイツの懸念は深まりそうだ。
メルケル独首相の与党内からは、オランド仏大統領が自国の問題点を迅速に是正する必要性を自覚できないため欧州の落ち込みが深刻化するリスクを懸念する声が出ている。
カーネギー国際平和財団欧州センター(ブリュッセル)のディレクター、ヤン・テシャウ氏は20日の電話インタビューで、「格下げがフランスに対する圧力を大いに高めることは確かだ」とし、「ドイツのフランスに対する優位が強まる」と話した。
スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)による1月の格下げ後、フランス国債相場は上昇している。ムーディーズの格下げも、経済面よりも政治的な影響が大きそうだ。
仏紙リベラシオンがオランド大統領の政策に対するドイツの懸念に関する記事を1面に掲載した後、ショイブレ独財務相はフランスを欧州の「病人」と呼ぶべきではないと発言していた。
モスコビシ仏財務相は20日の記者会見で、格下げの意味を否定するわけではないが「フランスは依然として最上級クラスの国の1つだ」と述べ、「仏独両国の間の信頼が失われることはない」と言明した。
原題:French Downgrade Widens Gulf With Germany Amid EU BudgetDispute(抜粋)
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更新日時: 2012/11/20 21:17 JST