報道発表資料 [2011年10月掲載]

恩賜上野動物園情報
「ホッキョクグマとアザラシの海」オープン!
完成記念式典を行います

平成23年10月13日
建設局
(公財)東京動物園協会

 恩賜上野動物園(園長 土居利光)では、新施設「ホッキョクグマとアザラシの海」が完成し、10月28日から一般公開します。当日は、一般公開に先駆け、完成記念式典を開催します。

1 「ホッキョクグマとアザラシの海」オープン

 当園では、老朽化したホッキョクグマ舎やアシカ舎を改修し、動物が生き生きと活動する様子をご覧いただけるよう、平成21年度より工事を進めておりました。このたび、寒帯や亜寒帯に生息するホッキョクグマやアザラシをはじめとする動物達を一体的に飼育・展示する施設「ホッキョクグマとアザラシの海」として、オープンします。

(1) 新施設「ホッキョクグマとアザラシの海」の特徴

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【ホッキョクグマとアザラシの海】

 新しい施設は、動物たちをいろいろな角度からご覧いただけるよう、立体的な構造としています。ホッキョクグマの新たな飼育舎は、プールを含む放飼場の面積を約3倍に拡張し、子育てのための空間や、土の放飼場を用意し、絶滅危惧種であるホッキョクグマが生き生きと暮らせるよう、国際的な基準(※)に基づき整備をしました。北極海の環境を再現した1階部分では、ホッキョクグマが水中で見せるダイナミックな行動を間近に観察することができます。
 また、ホッキョクグマと生息区域が同じアザラシを近くに展示することで、自然に近い状態での展示をしています。アザラシとアシカのプールは、広くするだけでなく深さにも変化をつけ、自由にのびのびと行動できる環境を整え、水中での動きも直接観察することができます。さらに、室内には極地に住むシロフクロウやスバールバルライチョウも展示します。
※マニトバ州(カナダ)制定のホッキョクグマ保護法における飼育展示施設の基準。マニトバ州は、野生のホッキョクグマの聖地とも言われています。

(2) 一般公開について

 平成23年10月28日(金曜) 11時(予定)

(3) 新施設の概要

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【ホッキョクグマ】
  1. 「ホッキョクグマの海」
    • 展示動物
      ホッキョクグマ 2頭
    • 構造
      鉄筋コンクリート造
    • 建築面積
      128.63平方メートル
    • 延べ面積
      287.67平方メートル
    • 放飼場
      520平方メートル
    • プール
      面積73平方メートル 深さ3メートル
  2. 「アザラシ・アシカの海」
    • 展示動物
      アザラシ2頭、アシカ5頭
    • 放飼場
      104平方メートル
    • プール
      面積176平方メートル 深さ3メートル
  3. 「小動物舎」
    • 展示動物
      シロフクロウ、スバールバルライチョウ
  4. 「水と氷の回廊」
    室内観覧通路、観察窓、水のアーチ、解説施設ほか

※「ホッキョクグマとアザラシの海」は、(財)日本宝くじ協会の助成により整備された新施設です。


(4) 展示する動物について

展示場所:「ホッキョクグマの海」
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ホッキョクグマ(食肉目 クマ科)
 肉食性で、アザラシや魚が主食です。体のわりに頭が小さく、前足が大きいなど、泳ぐのに適した体をしていて泳ぎや潜水がとても上手です。
 氷上で生活し、ときには流氷にのって何百キロメートルも離れたところまで移動することもあり、日本でも北海道や新潟の海岸に流れ着いたことがあります。メスは出産が近づくと雪原に穴を掘り、ここにこもって出産し、冬ごもりの中で子育てをします。


展示場所:「アザラシ・アシカの海」
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ゼニガタアザラシ(食肉目 アザラシ科)
 黒地に白い銭形模様をもつことからこの名前がつきました。太平洋から大西洋まで広く分布しており、日本に定住する唯一の種です。北海道東部の襟裳岬や大黒島・歯舞諸島に生息しており、陸上での移動能力が極端に低く、陸上では強い集合性を発揮します。交尾は水中でおこなわれるため、観察例が少なく交尾行動についてはほとんど分かっていません。
※アザラシの展示は、輸送時期の関係により12月頃を予定しています。


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カリフォルニアアシカ(食肉目 アシカ科)
 北アメリカのシアトル近海からメキシコに至る海岸に沿って広く分布しています。
 主にイワシ、タコ、イカなどを食べています。繁殖期には1頭のオスが多数のメスをしたがえ、ハレムをつくって暮らします。流線型のスリムな体つきや、閉じることのできる耳や鼻などは水の中で暮らすのに適応しています。泳ぎも潜水も上手で海中を時速25〜30キロメートルのスピードで泳ぐといわれています。


展示場所:「小動物舎」
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スバールバルライチョウ(キジ目 ライチョウ科)
 ライチョウは北半球の高山や寒冷地に約30亜種が生息しています。ノルウェーのスバールバル諸島などの北極圏に住むスバールバルライチョウは、ライチョウの中でも世界最北端に生息する亜種で最も大型です。当園では、2008年よりノルウェー・トロムソ大学との共同研究でライチョウの人口繁殖に取り組んでいます。


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シロフクロウ(フクロウ目 フクロウ科)
 すべての鳥の中で最も北方に分布する種です。オスは全身のほとんどが白色ですが、メスには頭と体全体に黒褐色の斑点があります。巣はツンドラや草原のくぼみを利用してつくります。
 木の枝にとまることはめったになく、単独で平原の氷塊、岩、切り株などにとまって、獲物をねらいます。


2 「ホッキョクグマとアザラシの海」完成記念式典

(1) 日時

 平成23年10月28日(金曜)10時〜(概ね45分)※雨天決行

(2) 場所

 東園「ホッキョクグマとアザラシの海」前(動物園事務所横)特設会場

(3) 内容

  1. 主催者挨拶(東京都技監)
  2. 工事概要説明
  3. 来賓挨拶
  4. 来賓紹介
  5. 贈呈式(財団法人日本宝くじ協会理事長)
  6. 謝辞(恩賜上野動物園長)
  7. 記念品贈呈
  8. 花束贈呈
  9. テープカット
  10. くす玉開き
  11. 施設案内

※同日11時(予定)から「ホッキョクグマとアザラシの海」を一般公開します。

(4) 主催

 東京都
 公益財団法人東京動物園協会

ご案内

【恩賜上野動物園】
<開園時間>
 9時30分〜17時(入園は16時まで)
<休園日>
 毎週月曜日(祝日のときは、翌日)
 10月17日(月曜)、31(月曜)は開園
<入園料>
 一般:600円、65歳以上:300円、中学生:200円
※小学生以下及び都内在住、在学の中学生は無料
※開園カレンダーは東京ズーネットでご覧いただけます。

「10年後の東京」への実行プログラム2011
Visit Zooキャンぺーンは、「10年後の東京」への実行プログラム2011において、以下の目標・施策に指定されています。
 目標6 都市の魅力や産業力で東京のプレゼンスを確立する
 施策18 東京の魅力・東京の文化を世界に発信

問い合わせ先
(公財)東京動物園協会
恩賜上野動物園
 電話 03−3828−5171
建設局公園緑地部管理課
 電話 03−5320−5365