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太平洋 海の酸性化急速に進む
11月21日 4時17分

太平洋 海の酸性化急速に進む
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大気中の二酸化炭素が海水に溶け込むことで起きる「海の酸性化」が、日本の南の太平洋で急速に進んでいることが気象庁の調査で分かりました。
地球温暖化に加えて海の生態系への影響が懸念されています。

気象庁は、大気中の二酸化炭素が海水に溶け込むことで起きる「海の酸性化」を調べるため、紀伊半島沖から赤道近くにかけての太平洋に海洋気象観測船を出して定期的に海水を調査しています。
過去30年間のデータを分析した結果、酸性化の度合いを示す水素イオン濃度の値が、10年あたり0.02程度ずつ変化し、より酸性化が進んでいることが分かりました。
この値は、産業革命によって二酸化炭素の排出量が急増した18世紀後半からの250年間に比べて5倍のペースに当たり、急速に酸性化が進んでいることを示しています。
気象庁によりますと、海の酸性化が進むと海水が大気中の二酸化炭素を吸収できなくなって、地球温暖化がさらに進行するおそれがあるということです。
また、サンゴやプランクトン、それに貝類などの成長が妨げられ、海の生態系全体にも影響を及ぼす可能性があり、気象庁は、データの監視を続けることにしています。

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