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政治
【主張】原発ゼロと衆院選 現実見ぬ選択では国滅ぶ
日本の将来を左右する原子力・エネルギー政策が衆院選の大きな争点となっているが、民主党が「原発ゼロ」を打ち出したのをはじめ、多くの政党も「脱原発」を標榜(ひょうぼう)している。
だが、エネルギー小国の日本が原発を完全に手放してしまうのは現実的でない。一時のムードに流された脱原発は、ただちに国力低下につながる危険な選択であることを改めて訴えたい。
政府・民主党は、革新的エネルギー・環境戦略として「2030年代に原発稼働ゼロ」を目指すことを決定した。原発の新増設は認めず、運転から原則40年での廃炉を徹底するという。
しかし、原発に代わる太陽光などの再生可能エネルギーを整備する道筋は描けていない。政府試算では再生エネ投資で50兆円、省エネ投資は100兆円が必要となる。発電コストが高い再生エネの普及によって、電力料金も現在の2倍以上にはね上がる。
電力の安定供給や代替エネルギーの確保、電力料金の値上げ、それに伴う産業空洞化にどう対応するのか。各政党は脱原発をうたうならば、選挙公約などでこのような疑問に、はっきりと答えなければならない。
原発の再稼働が進まない現在の日本では、足元の電力供給すら綱渡り状態だ。泊原発の運転が再開できない北海道の住民・企業に対し、政府は今冬、厳しい寒さの中で7%以上の節電を求める。住民の生命にも危険が及ぶ。
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