TPP:基本合意「来年10月」 米豪など7カ国が一致
毎日新聞 2012年11月21日 東京朝刊
環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉に参加する米国、豪州など7カ国の首脳が、来年10月までに交渉の基本合意を目指すことで一致したことが20日、分かった。野田佳彦首相はTPP参加に意欲を示したが、参加が遅れれば、ルール作りへの日本の関与の余地が減り、不利になりかねないだけに、次期衆院選ではTPP早期参加の是非が問われることになりそうだ。
カンボジア・プノンペンで開かれた東アジアサミットに出席したオバマ米大統領ら7カ国首脳が非公式に会談。通商筋によると、来年10月の基本合意のほか、同年末までの交渉妥結を目指すことでも合意した模様だ。TPPに参加する11カ国のうち、カナダやメキシコなど4カ国は会合には出席していないが、12月にニュージーランドで開かれる参加国交渉で同様に合意する可能性が高そうだ。
一方、首相は20日の日米首脳会談で、TPP交渉参加の意欲を改めて示したが、米国との事前協議では、自動車や保険分野での日本の国内制度の改善が求められており、調整は容易ではない。また、自民党はTPP参加に慎重な姿勢を崩しておらず、12月の衆院選の結果次第では、日本の早期参加は見通せなくなる。
ただ、TPP交渉はもともと年内の交渉妥結を目指したが、関税撤廃を巡る参加国の意見の隔たりが大きく、9月に先送りを決めたばかり。10月にはカナダ、メキシコを加えて参加国が増えたことでさらに交渉が難航する可能性もあり、「交渉妥結がズルズルと遅れないように、努力目標を設定しただけではないか」(経済産業省幹部)との見方もある。【小倉祥徳】