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県連代表・阪口氏、離党

2012年11月20日

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会見する阪口直人氏=県庁

◎民主/2区「維新」に合流表明

 衆院和歌山3区で民主前職が「立候補辞退」した衝撃がさめやらぬ中、同2区で立候補を予定する民主前職の阪口直人氏(49)も19日、離党と日本維新の会への合流を表明した。県連代表の「寝返り」という事態に怨嗟(えんさ)の声はやまず、民主は対立候補擁立を辞さない構えだ。

 阪口氏は19日夜、県庁内でも記者会見し、「国の統治機構の仕組みを変えたい。その一点。(民主は)そこまで踏み込んでいなかった」と改めて維新参加の理由を語った。表明時期については、維新からの公認が間違いないとの情報を18日夜、小沢鋭仁元環境相から約束されたことだったと明らかにした。この流れを受け、阪口氏は小沢氏と一緒に19日午前、国会内で離党会見にのぞんだという。

 また維新への参加は11月に入ってから、自民を離党し維新に参加した松浪健太氏からの誘いなどがあり、この間は「県連代表の責任を果たしながら、『(維新の公認が)どうなっているのか』と思っていた。その場から逃げるわけにもいかなかった」と胸中を述べた。

 一方、維新の関係者によると、阪口氏とは2区での公認について調整を進めているという。

 大阪府出身の阪口氏は2003年と05年の衆院選で神奈川17区から、07年の参院選で和歌山選挙区(改選数1)から民主公認として立候補し、いずれも落選。その後、衆院和歌山2区に移り、09年の前回衆院選では自民前職を破って初当選した。11年秋から県連代表に就任し、今年10月に再任されたばかり。

◎「相談ない」「節操ない」/後援会幹部 有権者の声

 離党ドミノが止まらない民主。和歌山でも現実となるなか、利を得るのは維新か既成野党か。

 阪口氏の後援会幹部の男性には19日昼過ぎ、本人から「離党届を出した」と電話が入った。男性は「(阪口氏は)『以前から維新に誘われ悩んでいた』と言っていたが、悩んでいるのなら相談して欲しかった。応援をやめる人も当然出てくるだろう」と肩を落とした。

 政権交代に期待し2009年の前回衆院選で阪口氏を支持したという岩出市の男性会社員(40)は「民主は期待外れだったが、もう一度という気持ちもあったので残念。選挙直前での離党はあまりに節操がない」と憤る。紀の川市の女性(45)も「選挙が決まってから離党するのは泥船から逃げようとしているように見える。維新人気があってもこの時期はかえってマイナスではないか」。

 一方、同市の飲食店員の男性(29)は「維新は日本を変えてくれそうなので、もともと比例区は維新に入れようと思っていた。2区では維新の候補者は出ないと思っていたが、出るなら応援したい」と話した。

◎「この時期に 怒り」/民主と連合 対応協議へ

 民主党県連と、阪口氏の推薦を内定していた連合和歌山は、20日にも合同会議を開いて対応を協議することを決めた。県連は阪口氏に対し、支部長を務める2区総支部の預金通帳の返還を求めたり、県連ホームページから阪口氏関連の記載を削除したりするなど対応に追われた。

 阪口氏から19日午前に連絡を受けたという浦口高典県連幹事長は「この時期の発表に怒りを禁じ得ない。厳しい状況でも支援を表明した団体、党員、サポーターへの裏切りは許せるものではない」とのコメントを出した。党本部とも連携し、3区を含め「空白区」の解消に全力を尽くすという。

 別の県連幹部も、立候補辞退というかたちで「責任」をとった3区に立候補予定だった玉置公良氏と比べ、県連代表という重責を担っていた阪口氏に対し「3区とは事情が違う。もう別の人」と吐き捨てた。

 民主党の各選挙区総支部には年間1千万円超の活動費が党から交付されている。こうした活動資金をめぐっては「国民の生活が第一」の結党時に、離党者と民主党岩手県連との間で訴訟沙汰に発展した。関係者によると阪口氏は、民主党の2区総支部として管理する通帳などの引き渡し要求を即日了承したという。

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