鳩山元首相:党内かき回し退場へ…民主政権迷走の象徴

毎日新聞 2012年11月20日 23時53分(最終更新 11月21日 01時05分)

鳩山由紀夫元首相=石井諭撮影
鳩山由紀夫元首相=石井諭撮影

 09年の政権交代の象徴だった鳩山由紀夫元首相が、民主党政権の混迷の3年余りを象徴する形で衆院選不出馬に追い込まれた。米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で迷走し、わずか9カ月で退陣。国会議員を辞めると言っては撤回し、菅直人前首相の内閣不信任決議案に賛成する構えを見せたり、野田佳彦首相が政治生命を懸けた消費増税法に反対したり。民主党政権が国民の信頼を失った責任者の一人であることは間違いない。【田中成之、念佛明奈】

 自民党の石破茂幹事長は20日夜、記者団に「首相を辞めたときに議員を辞めると言っていた人が辞めただけだ。ここまで判断を先延ばしした理由が理解できない」と語った。

 鳩山氏は10年6月に退陣を表明した際、記者団に「首相の影響力を行使し過ぎてはいけない。次の総選挙に出馬しない」と明言したが、わずか半年後、地元後援会の会合で「次の衆院選でも行動をともにさせていただきたい」と撤回した。

 普天間移設問題では09年衆院選の際に「最低でも県外」と公約したが果たせず、沖縄県民の反発を招いた。同年11月に来日したオバマ米大統領に「トラスト・ミー」(私を信じてほしい)と言った後も迷走を続け、後の政権は日米関係の修復に追われた。

 自民党の菅義偉(すが・よしひで)幹事長代行は「『最低でも県外』と決めたのは、民主党そのものだ。野田首相には、鳩山さんを外交の党最高顧問に据えた責任がある」と民主党の外交失政を批判。公明党幹部は「日本外交の破綻のきっかけを作った張本人だ。国益上、辞めてよかった」と突き放した。

 退陣後は小沢一郎元代表(現「国民の生活が第一」代表)と連携し、自らが否定したはずの「首相の影響力を行使」して後継政権を揺さぶり続けた。これに対し、民主党執行部が環太平洋パートナーシップ協定(TPP)を踏み絵に「鳩山切り」も辞さない構えを見せたことが衆院選不出馬につながった。

 石破氏は「マニフェストに賛同できない者を公認しない方針は、政党として評価すべきだ。政策の一致した純化された集団として政界再編の一つの核になることは、それはそれで望ましいのではないか」と皮肉った。

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