学校の防犯カメラ、97%は低画質で役立たず

ソウル市、仁川市、江原道、済州道の1707校、1万7471台を調査

 12日午後4時ごろ、ソウル市永登浦区のある小学校を取材した。警察から特別防犯地域に指定されているこの小学校の周辺は、ここ3カ月の間に暴行傷害事件30件、窃盗20件以上が発生するなど、防犯上の問題がかねてから指摘されてきた地域だ。また学校の中でも暴力事件がたびたび発生する。

 ところが校舎のあちこちに設置された十数台の防犯カメラと裏門の回転式防犯カメラは、事実上「無用の長物」となっている。画質がいずれも41万画素しかないからだ。これは最近主流となっている携帯電話用カメラの画素数(1300万画素)のわずか30分の1。41万画素では車のナンバーはもちろん、夜は5メートル、昼でも15メートルより先にいる人間の顔も識別できないため、容疑者の姿が映っていてもほとんど特定できない。またこの小学校の裏門にある防犯カメラは正面が街路樹に遮られていた。警察の関係者は「この周辺からはよく事件の通報があるが、防犯カメラを分析しても犯人の顔や車のナンバーはほとんど確認できない」と語る。

 2010年にソウル市内のある小学校の運動場で、8歳の女の子が誘拐され性的暴行を受けたいわゆる「キム・スチョル事件」以降、教育科学技術部(省に相当)は防犯の指針を定め、この指針に基づいて全国の各学校に数多くの防犯カメラが設置された。同部によると、2010年には6万7169台だった学校の防犯カメラの数は、今年6月には10万53台へと49%増加したという。

 ところがその多くは画質が悪く、設置場所も街路樹や照明灯などに遮られているケースが多いため、撮影された画面からは周辺の状況があまり把握できず、ほとんど役に立っていない。

 監査院がソウル市、仁川市、江原道、済州道の四つの市・道にある1707校に設置された防犯カメラ1万7471台を調べた結果でも、このような事実が確認されている。12日に監査院が発表した内容によると、調査対象となった防犯カメラのうち97%に当たる1万6922台が50万画素未満で、100万画素を上回るものはわずか203台、全体の1.2%だった。

大田= 禹正植(ウ・ジョンシク)記者
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