今月10日、大学修学能力試験(修能試験=日本の大学入試センター試験に相当)を終えた女子高生が、ソウル市広津区華陽洞の産婦人科病院で人工妊娠中絶手術を受けている最中に死亡した。
広津警察署によると、妊娠23週目だった女子高生(18)は今月9日午後、両親と共に広津区華陽洞のY産婦人科病院を訪れ、医師と相談した上、翌日に手術を受けた。女子高生は麻酔薬「プロポフォール」を投与され、手術を受けていた最中、血圧が低下し心臓の拍動が止まったため、近くの建国大学病院に搬送されたが、間もなく死亡した。女子高生は手術中、子宮に生じた直径3センチの穴から大量に出血したため死亡したものと推定される。警察は正確な死因を調べるため、女子高生の遺体の解剖を国立科学捜査研究院に依頼した。
修能試験翌日の今月9日午後8時ごろ、娘が妊娠している事実を知った女子高生の親は、娘と共にY病院を訪れた。インターネットで夜間の診療が可能な病院を検索し、Y病院を知った。遺族は「B医師が『6カ月の胎児も中絶したことがある』として中絶を勧め、費用として現金650万ウォン(約47万円)を要求したため、一度に支払った」と話した。
女子高生が死亡した後、遺族が確保したY病院のカルテには「ほかの医療機関でダウン症候群と疑われる診断を受けた」「男性から性的関係を持つよう強制され、妊娠した」といったことが記されていた。だが、遺族は「ほかの病院に行ったことや、男性から性的関係を持つよう強制されたことなどは話していない。違法な中絶手術を行い、問題が生じるのに備え、あらかじめ作成したうその文章だと思う」と語った。現行法では中絶手術は原則として違法だが、胎児に特定の遺伝的な障害や疾患があったり、強姦(ごうかん)などにより妊娠したりした場合に限り、妊娠24週以内に中絶手術を行うことができる。なお、Y病院は女子高生が死亡した後「個人的な事情」を理由に休業している。