高等教育院「教養部に戻すつもりない」京大総長会見
京都大が教養教育を一元的に担う新組織として計画している「国際高等教育院」(仮称)について、松本紘総長は16日の定例会見で「教養部に戻すつもりはない。全学が責任を持って教育を担う組織だ」と説明した。一方、学内では「教員や学生の意見を無視して計画を進めている」として抗議集会が続き、反対の署名活動も始まった。
松本総長は教育院について「教育に熱心な34人の教員を専任とする」としながらも、「研究してはいけないということは言っていない。議論もされていない」と強調した。教養教育のカリキュラムについては、現状の各研究科から教員が参加する全学共通教育委員会では「全学的な視野を持ってかかわることは難しい」とし、「(教育院内に設置する)企画委員会で議論する」とした。
一方、理学研究科とともに教養教育の実施を担っている人間・環境学研究科の教員の有志は、12日から昼休みにキャンパス内で教育院構想に対する抗議活動を展開している。「教育院は教養教育と学部自治の破壊だ」などと演説、反対の署名活動も進めている。
総合人間学部などの学生も16日に集会に開き、約150人が参加した。「事前説明や意見聴取を行わず、一方的かつ性急な計画だ」などの意見が出され、大学に抗議する方針が示された。
【 2012年11月16日 22時01分 】