660 名前:ゲームセンター名無し[sage] 投稿日:04/07/16 00:15 ID:???
そのころは格ゲーにハマってて毎日駅前の小さなゲーセンに通っていたものだ。
狭くてちょっと汚いトコだったけど1ゲーム50円だったので他校のヤツらも多く繁盛していた。
期末試験最終日に試験が終わった開放感と、しばらくゲーセンに行ってなかった鬱憤もあってチャリを飛ばしてそこに直行したんだ。
すると開店したばっかりで一番乗り、もちろん俺は当時大人気だったKOF(年代は失念)に50円を入れプレイ!
5分後くらいにドアが開き誰かが入ってきて対戦スタート!実力は似たようなもので勝ったり負けたりで
30分くらい対戦した後、彼はこちら側にやってきて「楽しかった、また対戦しような。」と告げ帰っていった。
ゲーセンで見知らぬ人に声を掛けられるのは初めてだったし、対戦も白熱したこともあって俺はすごく嬉しかった。
661 名前:660[sage] 投稿日:04/07/16 00:15 ID:???
その後、夏休みということもあって毎日そのゲーセンに行き、彼と対戦したりゲームについて語り合ったりして仲良くなったわけだ。
1週間ほどたった頃だろうか彼はニヤニヤしながら「なぁ、○○(俺の名前)まだ気づいてないんか?」と言ってきた。
彼に名前を教えたわけでもないのにいきなり名前で呼ばれたので「えっ!?」と思わず言ってマヌケな顔をするしかなかった。
「俺だよ、△△、近所に住んでただろ?」と彼が続けたので俺はようやく理解した。小学2年の時に急に転校していった親友△△だった。
彼は3日目くらいで気づいていたらしいが、俺は気付かなかったんだな。
俺は気付いていたのに黙っていた△△に対してちょっとムッとしたが、10年間会ってなかった俺が○○であると気付いてくれた方が嬉しかった。
それからゲームの話題から外れて
「両親が離婚して急に転校したこと」
「その後何回も転校を繰り返したこと」
「中学卒業後に父親と離れ、一人暮らしを始めたこと」
などと重苦しいことを話していて
彼「いきなり別れも言わずに転校してスマンかったなぁ・・・」
俺「でもこうやって再会できたし、また遊べるやん」
彼「いや、それもムリや。俺、明日北海道に引っ越すんや」
俺「えっ!?」
俺はまたマヌケな顔をするしかなかった・・・
662 名前:660[sage] 投稿日:04/07/16 00:17 ID:???
うやら彼は遠縁の親戚の事業を手伝う為、北海道に引っ越すことになったらしい。
「そうか・・・残念だなぁ・・・」と思っていると彼は何やら差し出した。
裏にマジックでデカデカと「△△」と書かれたファミコンソフトのエキサイトバイクであった。
「お前、それ好きやったやろ?荷物整理しとったら出てきたから記念にあげるわ」
そう、当時ファミコンを持ってなかった俺が彼の家で熱中していたエキサイトバイクであった。
10年ぶりに親友と再会できたこと、そしてまた会えなくなること、そんなくだらない事を覚えていてくれた親友、俺は涙を堪えられなかった。
「もうこっちには戻ってこれんかもしれんが元気でな!」
そう言うと彼はゲーセンを去って行った。
今日そのゲーセンに数年ぶりに行ってみたが、相変わらず高校生がいてなかなか繁盛しているようだ。
思い出をくれたゲーセンよ「ありがとう!」
長文駄文スマソ
親友のつくり方
そのころは格ゲーにハマってて毎日駅前の小さなゲーセンに通っていたものだ。
狭くてちょっと汚いトコだったけど1ゲーム50円だったので他校のヤツらも多く繁盛していた。
期末試験最終日に試験が終わった開放感と、しばらくゲーセンに行ってなかった鬱憤もあってチャリを飛ばしてそこに直行したんだ。
すると開店したばっかりで一番乗り、もちろん俺は当時大人気だったKOF(年代は失念)に50円を入れプレイ!
5分後くらいにドアが開き誰かが入ってきて対戦スタート!実力は似たようなもので勝ったり負けたりで
30分くらい対戦した後、彼はこちら側にやってきて「楽しかった、また対戦しような。」と告げ帰っていった。
ゲーセンで見知らぬ人に声を掛けられるのは初めてだったし、対戦も白熱したこともあって俺はすごく嬉しかった。
661 名前:660[sage] 投稿日:04/07/16 00:15 ID:???
その後、夏休みということもあって毎日そのゲーセンに行き、彼と対戦したりゲームについて語り合ったりして仲良くなったわけだ。
1週間ほどたった頃だろうか彼はニヤニヤしながら「なぁ、○○(俺の名前)まだ気づいてないんか?」と言ってきた。
彼に名前を教えたわけでもないのにいきなり名前で呼ばれたので「えっ!?」と思わず言ってマヌケな顔をするしかなかった。
「俺だよ、△△、近所に住んでただろ?」と彼が続けたので俺はようやく理解した。小学2年の時に急に転校していった親友△△だった。
彼は3日目くらいで気づいていたらしいが、俺は気付かなかったんだな。
俺は気付いていたのに黙っていた△△に対してちょっとムッとしたが、10年間会ってなかった俺が○○であると気付いてくれた方が嬉しかった。
それからゲームの話題から外れて
「両親が離婚して急に転校したこと」
「その後何回も転校を繰り返したこと」
「中学卒業後に父親と離れ、一人暮らしを始めたこと」
などと重苦しいことを話していて
彼「いきなり別れも言わずに転校してスマンかったなぁ・・・」
俺「でもこうやって再会できたし、また遊べるやん」
彼「いや、それもムリや。俺、明日北海道に引っ越すんや」
俺「えっ!?」
俺はまたマヌケな顔をするしかなかった・・・
662 名前:660[sage] 投稿日:04/07/16 00:17 ID:???
うやら彼は遠縁の親戚の事業を手伝う為、北海道に引っ越すことになったらしい。
「そうか・・・残念だなぁ・・・」と思っていると彼は何やら差し出した。
裏にマジックでデカデカと「△△」と書かれたファミコンソフトのエキサイトバイクであった。
「お前、それ好きやったやろ?荷物整理しとったら出てきたから記念にあげるわ」
そう、当時ファミコンを持ってなかった俺が彼の家で熱中していたエキサイトバイクであった。
10年ぶりに親友と再会できたこと、そしてまた会えなくなること、そんなくだらない事を覚えていてくれた親友、俺は涙を堪えられなかった。
「もうこっちには戻ってこれんかもしれんが元気でな!」
そう言うと彼はゲーセンを去って行った。
今日そのゲーセンに数年ぶりに行ってみたが、相変わらず高校生がいてなかなか繁盛しているようだ。
思い出をくれたゲーセンよ「ありがとう!」
長文駄文スマソ
親友のつくり方