「賢い良識のある人は暴飲しない。ましてや、ドラッグなんてなおさら。」アルコール中毒や薬物依存への戒めとして一般的に発されるスローガンです。しかし、この標語、その効果は別として、事実としては大間違いかもしれません。最新の研究結果が波紋を呼んでいます。
イギリスにおいて、数千人の人々に対して、1970年から今まで数十年にわたって、知能指数やドラッグ使用の有無、教育程度など社会経済的要因の調査が行われてきました。
- 研究者らは、子供時代に高い知能指数を持っていた男性らは、低スコアの男性らの最大で2倍、違法ドラッグを使用しやすいことを発見しました。女性では3倍です。高知能指数は107から158までのスコアとされていて、平均値は100です。この研究は、Journal of Epidemiology and Community Healthに掲載されました。
この研究チームのリーダーは、結果に驚いていないと言います。「以前の調査で、IQが高い人の大部分は、健康的な生活を送っていますが、大人になると飲み過ぎやすいことが明らかになっています。」と、イギリスのカーディフ大学の心理学者James White氏は言います。
なぜ、幼年時代にIQの高い人々が違法薬物を使用しやすいのかははっきりとしていません。「私たちは、彼らが新しい経験により寛容で、より興奮を追求する傾向があるからではないかと考えています。」と、White氏は言います。この論文では、White氏と共著者は他の調査にも言及しています。知能指数の高い子供たちが薬物を使うようになるのは、彼らが退屈していて、個性的であろうとするからではないか、という内容です。
イギリスの調査ですが、確かに日本でも、優秀で仕事ができながらもお酒に溺れている人は多いような気がします。頭が良いことは幸福とは無関係、むしろ重荷なのかもしれませんね。