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西条市長選

西条市長 新人青野氏 現職伊藤氏に122票差
2012年11月19日(月)付

西条市長 新人青野氏 ◆投票率64・13% 合併後初の交代◆
 任期満了に伴う西条市長選挙は18日投開票された。新人の前県議青野勝氏(55)=無所属、楠=が2万9272票を獲得し、3選を目指した現職伊藤宏太郎氏(69)=同、大町=に122票差で初当選した。市長交代は2004年の旧西条市、東予市、周桑郡丹原町、小松町の合併による新西条市発足以来初めて。
 合併後3度目の市長選で、選挙戦は2度目。投票率は64・13%。旧西条市出身の4人が立候補し、旧4市町の首長選を含め過去最低だった08年の前回より14・89ポイントの大幅な上昇。市民の関心の高さを裏付けた。
 合併まで東予市長だった青野氏は8月上旬、出馬を表明。上水道整備などの地域間格差是正や市民参加の「開かれたまちづくり」を掲げ、東予市長・県議時代の支持者や元小松町長らが支援した。
 青野氏陣営は旧東予周桑地区を中心に有権者にきめ細かく接触し、後援会員を増やす手法を取った。県営黒瀬ダムからの松山分水には「政治生命を懸け水を守る」と反対し、水資源枯渇を心配する旧西条市民らの安心感を得る一方、旧西条市を含め通算17年間市長を務める伊藤氏の多選批判票も取り込んだ。
 伊藤氏は8月末に出馬表明、大半の市議や地元県議、連合愛媛、公明党、企業団体など多数の組織的支援を受けた。選挙戦で産業振興の実績や国・県、政財界との人脈をアピールしたが、一回り以上若い青野氏の勢いに阻まれる形になった。  新人の飲食業稲井大祐氏(74)=無所属、神拝=は独自の戦いを進めたが、支持は広がらなかった。
 当日有権者数は9万2591人(男4万3700人、女4万8891人)。投票総数は5万9381票で、有効5万9042票、無効339票。

【西条市長選開票結果】

29,272票 青野 勝 55 無新
29,150票 伊藤 宏太郎 69 無現
620票 稲井 大祐 74 無新
(選管最終、無効339票、投票率64.13%)

[西条再生させたい]
【青野勝氏の話】
 合併して8年。少し遠回りしたかもしれないが、今ならまだ間に合う。約束した通り、情報公開し、みんなから意見をもらってそれぞれの地域の力を合わせ、西条を再生させていきたい。
【青野勝(あおの・まさる)】
 慶応大卒。農協勤務を経て、95年から旧東予市長連続3期。新西条市発足後の07年に県議選西条市区で初当選し、11年に再選。12年10月に市長選出馬のため辞職。55歳。西条市出身。楠。

[写真・動画付の記事はこちら]

解説◆市西部 地域格差に不満◆


 西条市を二分する激しい選挙戦の結果、市民が出した答えは「変革」だった。2004年の旧西条市、東予市、周桑郡丹原町、小松町合併時に、東予市長だった新人青野勝氏が、地元を中心に幅広い支持を獲得。人口の5割強を占める旧西条市が地盤の現職伊藤宏太郎氏を僅差で破った。
 背景には、合併で行政の中心地から遠くなった市西部の旧東予周桑地域の不満がある。市は「合併後、東部と西部で投じた予算はほぼ同額」と理解を求めるが、西部側に均衡ある発展の実感が乏しかった。11年には、合併時に旧市町で結んだ協定書に反する形で、市が現庁舎を改修・増築して新庁舎を建設する方針を決め、西部の住民が「約束と違う」と猛反発した。
 青野氏はこうした不満の受け皿となる形で、8月上旬に出馬表明。上水道整備などの地域間格差是正や、開かれた市政の実現を訴え、支持を集めた。伊藤氏の市長在任は旧市を含め通算17年に上り、市民の一部に多選批判や新鮮さを求める声があったことも、青野氏に有利に働いた。
 船出する青野新市政だが、伊藤氏を支持した旧西条市民、市議、団体も少なくなく、慎重なかじ取りが求められる。市長選で生じた地域間の溝を一刻も早く解消し、市内の融和を進めてしこりを残さない努力が不可欠だ。
 長年市長を務めて国や県、経済界と独自のパイプを築いた伊藤氏は、農業革新都市プロジェクトなどの独自施策で産業振興を図った。県営黒瀬ダムからの松山分水問題で、県や松山市に決然と反対姿勢を示した点も市民は評価してきた。青野氏には、変革への期待に応えつつ、伊藤市政の継承すべき政策はさらに発展させる柔軟な姿勢も求められる。(今西晋、杉本賢司)

西条市長選 終盤情勢2012年11月16日(金)付

西条市長選 終盤情勢 ◆青野・伊藤2氏接戦 地盤固め支持拡大◆
 投票日の18日まであと2日となった西条市長選挙。いずれも無所属で、新人の前県議青野勝氏(55)=楠、新人の飲食業稲井大祐氏(74)=神拝、3選を目指す現職伊藤宏太郎氏(69)=大町=の3人が舌戦を繰り広げている。高い知名度や豊富な政治経験を持つ青野、伊藤両氏の接戦を稲井氏が追う展開で、各陣営は票の上積みへ終盤の追い込みに懸命だ。
 2004年の旧西条、東予、周桑郡丹原、小松の2市2町合併後、3度目の市長選で、選挙戦は2回目。
 旧東予市長を9年8カ月、県議を5年半務めた青野氏は旧東予市と周桑郡地域、旧西条市で8年10カ月、新市で8年市長を務める伊藤氏は旧西条市地域の支持層を固め、それぞれ全域で支持拡大を図っている。
 青野氏は上水道整備など地域間の格差是正や、市民の声を反映する「開かれた市政」の実現を掲げる。8月上旬の出馬表明後、東予市長や県議時代の支持者に加え、元小松町長などの支援で支持を広げてきた。
 市内各地でミニ集会や街頭演説を展開する一方、「草の根運動的」(陣営)に広範囲から後援会名簿を集め、有権者にアプローチ。現職に批判的な層の取り込みを図る。
 伊藤氏は8月下旬の出馬表明後、多数の市議や地元選出県議、連合愛媛、公明党、企業・団体から広く組織的支援を獲得。日本経団連と連携して進める農業革新都市プロジェクトなど産業振興の実績をアピールし、伊藤市政の継続を訴える。
 告示後は市内各所で街頭演説や支援者回り。陣営は旧西条市内の盛り上がりの低さを警戒し「投票率アップが鍵を握る」と積極的な投票を呼び掛ける。

◆追う稲井氏 上積み図る◆
 稲井氏は街宣を中心に独自の戦い。現市政には財政的な無駄があると主張し、08年の前回市長選で獲得した約1600票から上積みを目指す。
 前回の投票率は49・24%と、合併前の旧2市2町時代の首長選を含め過去最低だった。今回、関係者は「地域間で盛り上がりに差がある」とみており、投票行動への影響が注目される。
 10日現在の選挙人名簿登録者(有権者)は9万3296人。期日前投票は12〜15日に計5361人が行い、前回の同じ期間を3264人上回っている。(今西晋、杉本賢司)  

西条市長選 候補者の横顔2012年11月14日(水)付

西条市長選 候補者の横顔   18日投票の西条市長選挙には、いずれも無所属で、前県議の新人青野勝(55)、飲食業の新人稲井大祐(74)、現職伊藤宏太郎(69)の3氏が立候補し、激しい論戦を繰り広げている。3候補の経歴や人となりを紹介する(上から届け出順、写真は右から届け出順)。

【青野勝氏  教育福祉分野 力注ぐ】
 8年前、旧東予市長として旧西条市、丹原町、小松町との合併に踏み切った。県議2期目の途中で出馬した理由を「新市への市民の不満を多く聞くようになり、市政を変える責任を感じた」と語る。
 市が合併協定書に反する位置で建設を進める新庁舎などについて「市民と話し合い納得してもらう姿勢が足りない」と批判。市民と定期的に対話する機会を設け、意見を施政に反映させたいと願う。
 東予市長時代は、幼保一元化の先駆け施設を造るなど教育福祉分野に力を注いだ。自身も高齢の父母を介護する立場から「弱者に光を当てるのが自治体の仕事」と力説する。
 野球を愛するスポーツマン。県議会チームでは全国優勝も経験している。(今西晋)

【稲井大祐氏  自作ビラで改革訴え】
 4年前に続き2度目の市長選出馬で、今回も市政改革を主張の軸に据えている。「松山や新居浜など市外からも買い物客が来る西条市にしたい」と活性化へ意気込む。
 パン製造・販売業や食堂などの経営に携わった経験を生かし、市職員に一定の努力目標を課すなど「民間感覚」を重視すると強調。財政赤字を解消し、商店街振興などを進めたいと訴える。
 自作ビラを手に、有権者に直接政策を訴える活動を続ける。「歩み寄って話を聞いてくれる人も増えてきた」と笑顔を見せる。
 囲碁やカラオケなどが趣味で、柴田錬三郎らの歴史小説を愛読。「主人公の生き方に共鳴し、強く生きなければと思う」と語る。(杉本賢司)

【伊藤宏太郎氏  国に物申す姿勢貫く】
 銀行員から旧西条市の市議と市長を経て、2004年の2市2町合併後の新西条市長を2期8年。「ぶれずにまっすぐ。素のままで行く」をモットーにトップセールスに奔走、政界や経済界などに幅広い人脈を築いた。
 合併10周年の2年後を見据え「成果を問われてみたい」と出馬を決意。産業振興や財政基盤強化など実績を積み上げてきた中で、さらなる融和一体化への思いは強い。
 「まちを良くしたい」という思いが活力となり、逆境になるほど燃える。地方に権限が移っても自立できる西条市でありたいと、国に対しても真っ向から物申す姿勢を貫く。
 健康法は忙しく動き、よく食べること。週1〜2回、夜プールに通う。(杉本賢司)  

西条市長選 私の公約2012年11月13日(火)付

 18日投票の西条市長選は、いずれも無所属で、新人の前県議青野勝氏(55)、新人の飲食業稲井大祐氏(74)、現職伊藤宏太郎氏(69)が出馬し、目指すまちづくりなどを訴え、有権者に支持を求めている。2年後の2014年に「平成の大合併」から10周年を迎える同市の次期リーダーに名乗りを上げた3候補は、どのような政策を掲げているのか。主な公約を紹介する。(上から届け出順)

【青野勝候補  大災害への備え強化】
 西条を再生し、公平公正で開かれた市政を推進します。
 また、合併時の約束をもとに市内の均衡ある発展を目指します。
 大災害への備えを強化します▽西条の水は政治生命をかけ守りぬきます▽市民委員会を作り市民の声を聞きます。市役所体制を再構築し総合支所、および公民館機能を充実します▽救急体制、介護環境を充実します。周桑病院をはじめとする市内の医師確保のため奨学金制度を導入します▽障がい者、高齢者の生活を守り子育て支援を強化します。小・中学生の医療費を順次無料化します。教員やPTAなど教育現場の声を反映します▽基幹産業を振興し雇用機会拡大を図ります。上下水道、道路、港湾などの整備を図ります。

【稲井大祐候補  公共施設の赤字解消】
 市役所職員および教育委員会、社会福祉協議会関係者は市民の目線できびきびと仕事をするよう指導します。各課長以下職員みんなで経費や備品を大切に使うよう指導します。
 公共施設の赤字解消に努めます。現行制度の中でお金の使い方を工夫し、財政を立て直します。  公共事業、道路、上下水道環境は市議会および建設業協会、自治会と話し合って計画的に進めていきます。
 農林水産業の発展育成を職員全体で推し進めます。仕事のできるリーダーを中心に職員全体のレベルアップをすべきです。職員みんなとの話し合いの中でアイデアを出し合っていきたいと思います。
 安心安全で豊かな住みよいまちづくりをしたいと思います。

【伊藤宏太郎候補  総合6次産業化推進】
 市民の融和一体化を旨とし、チーム西条の精神で自立、自活のまちづくりを進めます。強い意志で水を守り、水を使う企業の創出、誘致を図ります。水と食をテーマとしたまちづくりを進めます。
 経団連と連携した農業革新都市プロジェクトを進め、農林水産業と商工業が融合した総合6次産業化を推進します。雇用を拡大し、行財政基盤のさらなる強化に努めます。
 子育て環境の充実、高齢者の生きがいづくり支援、地域医療体制の整備に努めます。  教育、文化、スポーツの充実振興を図り、人材育成に努めます。
 新エネルギーの導入など、自然、生活、都市環境の保全施策を進めます。災害に強い、安心して暮らせるまちづくりを推進します。

西条市長選 第一声2012年11月12日(月)付

西条市長選 第一声  西条市長選は11日告示され、いずれも無所属の前県議青野勝(55)、飲食業稲井大祐(74)、現職伊藤宏太郎(69)の3氏が立候補した。3氏は出陣式などで第一声を発して街宣に繰り出し、7日間の選挙戦の火ぶたを切った。

【青野勝候補  開かれた市目指す】
 青野候補は三津屋南の選挙事務所で、支援者に囲まれ出陣式。「明るく開かれた市に変えたい。数十年先を見据えたビジョンを示しつつ、市民の声を市政に反映させたい」と高らかに訴えた。
 水など豊かな地域資源を生かした産業を振興すると述べ、県営黒瀬ダムからの松山分水に対する反対姿勢を強調。「教育、医療などの環境整備に力を入れ、市民が安心して暮らせるまちづくりを目指す」と力説し選挙カーで街宣に向かった。

【稲井大祐候補  公平公正な政治を】
 稲井候補は明屋敷の市役所前で第一声。合併前の旧市町間の地域対立回避を主張し「公平公正な政治でバランスよく発展し、みんなが幸福を実感できる社会を実現したい。明るく正しく力強い新生西条に向け、力を貸してほしい」と市民に呼び掛けた。
 高齢者が安心できる社会の実現や子育て支援、農業振興など個別の政策論も展開。松山分水については「工事費が膨大で間違いだ」と、あらためて反対姿勢を示した。

【伊藤宏太郎候補  合併後の融和強調】
 伊藤候補は西田の石鎚神社で出陣式を行った。地元の衆院議員や県議、市議のほか、県外の衆院議員らが駆け付け、応援演説で候補者の雇用や防災対策などの実績をアピールした。
 マイクを握った伊藤候補は、2年後の合併10周年を見据え、西条市が全国的な成功事例となるよう地域の融和・一体化に努めると強調。「今後も政界や経済界に素のままでぶち当たり、懸命に力を尽くしていきたい」と声を張り上げた。

西条市長選告示2012年11月11日(日)付

 任期満了に伴う西条市長選挙が11日、告示される。3選を目指す現職の伊藤宏太郎氏(69)=大町、前県議で新人の青野勝氏(55)=楠、飲食業で新人の稲井大祐氏(74)=神拝=の無所属3人が立候補を表明しており、旧西条市を地盤とする伊藤氏と、旧東予市が地元の青野氏の対決を軸に、7日間の激しい選挙戦となる見通し。投票は18日。
 2004年に旧西条、東予、小松、丹原の2市2町が合併して発足した西条市で、3回目の市長選。04年は無投票で、08年の前回選挙は伊藤氏や稲井氏ら無所属の現職新人4人が争った。
 伊藤氏は旧西条市議1期の後、旧西条市時代から通算17年間市長を務めている。青野氏は旧東予市長(1995年〜合併直前)、西条市区選出県議(2期5年半)を歴任。両氏はそれぞれの地元で支持を固め、市全域から集票を図る構え。
 立候補の届け出は11日午前8時半〜午後5時に明屋敷の市役所別館で受け付ける。投票は18日午前7時〜午後8時に71カ所で行う(山間部の12カ所は午後6時まで)。期日前投票は12〜17日の午前8時半〜午後8時に市役所本庁別館と東予、丹原、小松の各総合支所で行う。18日午後9時から、ひうちの市総合体育館で開票する。
 10日現在の選挙人名簿登録者(有権者)数は9万3296人(男4万4076人、女4万9220人)。(今西晋、杉本賢司)

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◆西条市長選立候補者◆
(立候補3人、左から届け出順)

  • 青野 勝(あおの・まさる)55歳

    青野 勝

    所属政党
    新旧別
    当選回数  
    職業 福祉法人理事長
    経歴 周桑農協職員、旧東予市長、県議
    現住所
    学歴 慶応大
  • 稲井 大祐(いない・おおすけ)74歳

    稲井 大祐

    所属政党
    新旧別
    当選回数  
    職業 飲食業、文化サークル代表理事
    経歴 パン販売・製造会社役員
    現住所 神拝
    学歴 日大
  • 伊藤 宏太郎(いとう・こうたろう)69歳

    伊藤 宏太郎

    所属政党
    新旧別
    当選回数 2
    職業 市長
    経歴 銀行員、旧西条市議、旧西条市長
    現住所 大町
    学歴 松山商大
 
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