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髪形をいじるのは心機一転の表れでもある。日本維新の会の橋下徹氏が、おでこを出す正統「保守型」に変えた。この勝負髪で衆院選に挑むという。37歳上の石原慎太郎氏を新代表に迎え、しおらしく従う覚悟らしい▼合流は第三極の受け皿を広げ、既存政党や官僚支配への不満をさらう狙いとみえる。両氏の合意文書には「強くてしたたかな日本をつくる」と表題がついた。「弱くてお人よしの日本」は耐えがたいと▼片や石原氏に気を使い、「原発ゼロ」の語は消えた。政策より大同団結、小異は捨てたというが、コーヒーと紅茶を混ぜたようなドタバタ感が漂う。色が似ていればいいというものではない▼なるほど、コーヒー党、紅茶党の独自色より、候補者の調整が先に立つのが小選挙区制だ。野合との批判に、石原氏は「民主党や自民党が人のことを言えるのか」と反発、橋下氏も「趣味嗜好(しこう)まで同じなら北朝鮮」と開き直る▼とはいえ、地方分権や行政効率に重きを置く橋下氏の現実主義と、米中なにするものぞの石原流がどう混じり合うのか。みんなの党や減税日本とも組むとなれば、昔の民主党顔負けの「選挙互助会」だ▼石原氏がほれたと公言する橋下氏は、政界でいう「じじごろし」に違いない。新代表を最強のリーダーと持ち上げ、ヘアスタイルを変えた。「何が目的か分からない年の差婚をした、したたかな女のよう」。きのうの東京紙面にあった、山本貴代さんの見立てに納得した。その縁の吉凶は知らない。