山形のニュース
野馬追太鼓、長井に響く 南相馬の団員が避難先で初公演
 | 威勢よく太鼓を演奏する遠藤さん(右端)ら相馬野馬追太鼓のメンバー |
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福島県南相馬市の太鼓団体「相馬野馬追太鼓」の演奏会が18日、山形県長井市であった。福島第1原発事故後にメンバーで唯一長井市に移住した副団長遠藤浩司さん(44)が仲間を招き、避難先との交流を深めようと初めて企画した。地元住民や福島県からの避難者約200人が太鼓の音色に酔いしれた。 遠藤さんら相馬野馬追太鼓の14人が太鼓やほら貝による6曲を披露。中でも野馬追の甲冑(かっちゅう)競馬をイメージして遠藤さんが作曲した「疾駆」は爽快感のある響きで会場を盛り上げた。地元の太鼓や民謡団体も競演した。 相馬野馬追太鼓は2000年の結成以降、夏の野馬追では主会場周辺で祭りムードを盛り上げてきたが震災後に一時活動休止。今年になって7月の野馬追で遠藤さんを含めて演奏するなど活動を再開した。 遠藤さんは震災直後に長井市に避難し、今は農場を営む同市のNPOの職員として農業に従事している。「福島で復興に向かう仲間たちとそのつち音を太鼓の響きに乗せて、お世話になった人たちに届けたい思いがあった。ようやく実現できた」と喜んだ。 演奏を聴いた長井市の看護師池田節子さん(64)は「震災から立ち上がる人たちの力強さを感じて涙が出た」と語った。
2012年11月19日月曜日
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