六価クロム:都立公園周辺で基準の220倍 都は連絡せず

毎日新聞 2012年11月17日 20時51分

 東京都江東区と江戸川区にまたがる都立公園周辺で昨年2月と今年4月、有害物質の六価クロムを含む地下水が漏れ出ていたことが都の調査で分かった。処理のため除去した土壌からは環境基準の約220倍の六価クロムが検出されたが、都は「健康に影響はない」として区や住民に連絡していなかった。

 漏出があったのは都立大島小松川公園周辺。この一帯は70年代、都が購入した工場跡地に高濃度の六価クロムを含む鉱滓(こうさい)(鉱物のくず)が大量投棄され土壌が汚染されていたことが発覚し問題化。鉱滓は毒性を取り除いた上で鉄板などで仕切った地中に埋められている。

 都環境局によると、昨年2月に都道の割れ目から黄色い水が流れているのを都職員が発見し、検査したところ六価クロムが含まれていた。今年4月には約700メートル離れた公園入り口でも黄色い水が流れた跡が見つかった。いずれも直ちに無害化処理したが、都道の下から除去した土壌からは水1リットル当たり11.1ミリグラム(国の環境基準は同0.05ミリグラム)の六価クロムが検出されたという。原因は不明としている。

 同局の成沢智司(なりさわさとし)担当課長は「周辺への飛散はなく、公表の必要はないと判断した。漏出が頻発するようなら区などと対策を考えたい」と話した。一方、周辺住民らで作る「公園のクロムを考える会」代表の中村まさ子・江東区議は「東日本大震災で地下の封じ込めが破れた可能性も考えられる。漏出は住民に知らせるべきだ」と批判した。【清水健二】

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