永井、さあスタメン奪回

　名古屋グランパスのＦＷ永井謙佑（２３）が１８日、スタメン奪回を猛烈アピールした。下部組織のグランパスＵ−１８との練習試合に前半４５分間出場し、２５分に技ありのシュートを沈めた。１７日の磐田戦（ヤマハ）でもベンチスタートから今季１０点目をマーク。上り調子のスピードスターが残り２試合の切り札となる。

　レベルが違う。前日の磐田戦で先発した主力組がそろって欠場した練習試合で、永井が好き放題に走りまくった。前半２５分にはＦＷ田中輝の落としたボールを、ループ気味に右スミへコントロールシュート。詰め掛けたサポーターを大いにわかせた。

　「もう１、２点は取れましたね。きょうはチャンスで外してばかりでした。何とか１点は取れたという感じです」。相手は弟分のグランパスＵ−１８。決めて当然という雰囲気もあった中で、額面通りに暴れ回った。

　もっとも、永井にとっては控え組として練習試合に出ること自体が不本意だろう。Ｊリーグでは最近２試合連続でスタメン落ち。「体はどこもおかしくないし、調子は上がってきている。メンバーは監督が決めることなので、ボクにはどうしようもない」と語る。途中出場で流れを変えられるのも強みだが、スタートから出たいのが本音だ。

　チーム内での“得点王”争いは激しい。永井の１０得点に対し、闘莉王は９得点。磐田戦では２人そろってゴールを挙げた。永井は「負けないように頑張りたいけど、トゥさんみたいな点の取り方はひきょうです」と苦笑いする。

　圧倒的な高さで得点を重ねる闘莉王に対し、永井には爆発的なスピードがある。大詰めを迎えた戦いで、永井が主役になれるか。

　（木村尚公）