平成23年2月
(1)唯一の多数国間軍縮「交渉」機関
(2)1978年の第1回国連軍縮特別総会決定により設立された「軍縮委員会」が1984年に「軍縮会議」と変更されたもの。前身は「10か国軍縮委員会」(1960~1961年)、「18か国軍縮委員会」(1962~1968年)、「軍縮委員会会議」(1969~1978年)。
(3)加盟国は65か国。西側グループ(25か国)、東側グループ(6か国)、G21グループ(33か国)、いずれのグループにも属さない中国により構成。我が国は1969年以来の加盟国。
(4)国連等他の国際機関からは独立。但し、事務局機能は国連軍縮部が果たしている。
(5)活動及び決定はすべてコンセンサス方式。
(1)会期
年3会期制。2010年会期は9月24日で終了。2011年会期は以下のとおり。
第1会期:1月24日~4月1日
第2会期:5月16日~7月1日
第3会期:8月2日~9月16日
(2)本会議
CDの活動は主に本会議によってなされる。本会議は、通年議題及び作業計画を審議・採択すると共に、最低年一回国連総会に対して報告書を提出する。
(3)議長
全加盟国がアルファベット順に4週間交代で務める。議長は、対外関係についてCDを代表し、仮議題、作業計画及び国連総会への報告案等を起草。2011年会期の議長は、カナダ、チリ、中国、コロンビア、キューバ、北朝鮮を予定。
(4)議題
CD本会議は、年会期の冒頭で通年議題を採択する。
※議題採択にかかる無用の議論・混乱を避けるため、伝統的に毎年同じ議題が採択されてきている。2011年も以下の議題を採択。
議題1:「核軍備競争停止及び核軍縮」
議題2:「核戦争防止」(カットオフ条約(FMCT)を想定)
議題3:「宇宙における軍備競争の防止(PAROS)」
議題4:「非核兵器国に対する安全保障の供与(NSA)」
議題5:「放射性兵器等新型大量破壊兵器」
議題6:「包括的軍縮計画」
議題7:「軍備の透明性(TIA)」
議題8:「国連総会への報告書」
(5)作業計画
(イ)CDは、上記の通年議題に基づき、年間の「作業計画」を採択する。
(ロ)作業計画では、実質的事項に関する審議・交渉のための具体的なマンデートを持ったアドホック委の設置や調整役等の設置が決定される。
(ハ)作業計画に基づき設置されたアドホック委等により、CDにおける軍縮・不拡散条約に関する実質的な審議・交渉作業が行われる。
(6)これまでの成果
CD(含む前身)は、これまで、核兵器不拡散条約(NPT、1968年)、生物兵器禁止条約(BWC、1972年)、化学兵器禁止条約(CWC、1993年)、包括的核実験禁止条約(CTBT、1996年)等、重要な軍縮関連条約を作成。
(1)CDは、唯一の多数国間軍縮「交渉」機関であるにもかかわらず、1996年にCTBTを交渉して以来、実質的交渉や議論をほとんど行っていない。毎年採択されるべき年間の作業計画は1998年に一旦は合意されたものの、翌年は合意が成立せず、それ以降(1998年は第3会期末の採択であったこともあり、実質的な議論は行われなかった)、合意できない状態が続いてきた。
(2)停滞状況の主な原因は、地域グループや国により各事項の優先度が異なるために、各国が満足できるようなバランスの取れた包括的な作業計画案に合意できなかった。
※中国が、米国のミサイル防衛(MD)計画に歯止めをかけることを意図して、露と歩調を合わせ、PAROSに関する条約交渉を最優先事項と主張する一方、米はPAROSについての交渉に反対していた。また、G21は核軍縮及びNSAに関するアドホック委員会の設置を最優先事項とする立場を取っていた(いわゆる「リンケージの問題」)。
(3)2008年、CD議長を務める6か国の大使(P6)により、CDの作業計画案(CD/1840)が提案された。同案は、1)FMCT、2)核軍縮、3)PAROS、4)消極的安全保証(NSA)について各調整役を任命し、1)については交渉を、2)~4)については実質的な議論を行うとの内容。同提案に対し、パキスタン及びイランが明示的に反対を唱え、中国及びシリアも明示的に支持を表明せず、会期内にコンセンサス採択をすることができなかった。
(4)2009年も、同年の議長を務める6大使の間で調整が行われ、上記2.(4)の議題毎の調整役(コーディネーター)を設置し、非公式会合を行うこととなった。第二会期冒頭の5月19日、議長国アルジェリアから、FMCTについては交渉を、PAROS及びNSAについては実質的な議論を、核軍縮については意見及び情報交換を行うことを決定する作業計画案(CD/1864)が提案され、5月29日にコンセンサス採択された。続いて、作業計画の実施に必要な決定案(作業日程、作業部会議長等)の協議が行われたが、パキスタンの修正要求により合意に至らず、2009年中の作業計画実施は見送られることとなった。
(5)2010年も作業計画合意に向けた協議が行われたが、合意には至らなかった。同年9月、国連事務総長主催CDハイレベル会合がニューヨークにおいて開催され、CD停滞の打開に向けて一致した政治的意思が示され、国連における左記会合のフォローアップの提案を含む議長総括が発出された。
2011年会期は、1月24日から開催。
我が国は、軍縮会議の議題としてはFMCT交渉の早期開始を優先事項と考えており、CDの停滞状況を打開すべくFMCTの作業文書を提出する等、様々な外交努力を展開してきている。2008年には我が国の樽井軍代大使(当時)が、議題毎に任命される調整役(コーディネーター)として、FMCTの非公式会合を行った。我が国は、同条約交渉の開始を実現するための最も現実的な方途として、2009年の作業計画案及び実施決定案を支持。
【参考】CD加盟国(65か国、英語のABC順)
1.西側グループ(25か国)
アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、カナダ、フィンランド、仏、独、ハンガリー、アイルランド、イスラエル、伊、日本、オランダ、NZ、ノルウェー、ポーランド、韓国、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、英、米
2.東側グループ(6か国)
ベラルーシ、ブルガリア、カザフスタン、ルーマニア、露、ウクライナ
3.G21グループ(33か国)
アルジェリア、バングラデシュ、ブラジル、カメルーン、チリ、コロンビア、北朝鮮、コンゴ民主共和国、キューバ、エクアドル、エジプト、エチオピア、インド、インドネシア、イラン、イラク、ケニア、マレーシア、メキシコ、モンゴル、モロッコ、ミャンマー、ナイジェリア、パキスタン、ペルー、セネガル、南ア、スリランカ、シリア、チュニジア、ベネズエラ、ベトナム、ジンバブエ
4.中国
(注)2003年2月、セルビア・モンテネグロのオブザーバー加盟が承認されたため、正規加盟国としての旧ユーゴスラヴィアの議席は抹消された。