小沢代表無罪確定 強制起訴では初11月19日 17時34分
国民の生活が第一の小沢一郎代表が強制的に起訴され、1審と2審で無罪が言い渡された裁判で、検察官役の指定弁護士は上告しない手続きを取り、小沢代表の無罪が確定しました。
検察審査会の議決を経て強制起訴された裁判で、判決が確定したのは初めてです。
国民の生活が第一の小沢一郎代表(70)は、平成16年と17年分の資金管理団体の収支報告書にうその記載をしたとして強制的に起訴されましたが、2審の東京高等裁判所は今月12日、「秘書から細かな説明を受けず、収支報告書の記載が正しいと考えていた可能性がある」と指摘し、1審に続いて無罪を言い渡していました。今後の対応を検討していた検察官役の指定弁護士は、「上告の理由を見いだせない」として19日、上告しない手続きを取り、小沢代表の無罪が確定しました。
検察審査会の議決を経て強制起訴されたケースは、これまでに6件ありますが、判決が確定したのは初めてです。
強制起訴の制度に対しては、検察審査会の議決が市民感情によって左右されやすいという意見や、審査の対象となっている人の主張を聞く場が設けられていないことを課題だと指摘する声もあります。また、指定弁護士にとっても検察が罪に問うことを見送ったケースで起訴し、裁判で立証することは負担が重いといった意見が出されていて、今後は制度の改善に向けた検証が求められます。
“外部の目で制度検証を”
検察官役の指定弁護士の大室俊三弁護士は、「慎重に検討したが、上告の理由が見つからなかった。方針を決めた以上、『被告』という立場を長引かせるべきでななく、直ちに上告をしない手続きを行った」と述べました。
また、「起訴することが決められているなかで、当初の予想よりもはるかに少ない証拠からスタートして、立証を続けていった。さまざまな批判もあると思うが、自分たちなりに努力はしてきたつもりだ。今後は外部の目で検証を行ってほしい。また、自分たちでも、裁判の活動が十分だったのかどうかを検証していきたい」と述べました。
地元では
小沢代表の無罪が確定したことについて、盛岡市内で聞きました。
このうち、44歳の男性は、「結局、違反があったのかなかったのか、われわれにはよく分からなかったが、法律上では罪に問えないということだと思います。検察と市民の感覚のずれは解消しなければいけないが、強制起訴についてはよい点と悪い点があると思うので、ほかの事例も含め、議論していく必要があると思います」と話していました。
また、70歳の女性は、「今回の裁判では検察の調べにいろいろと強引なところがあり、もし自分だったら怖いなと感じていたので、無罪になってよかったと思います」と話していました。
また、地元である岩手県奥州市の45歳の男性は、「強制起訴自体がどうかと思っていたので、無罪が決まってよかった。小沢さんの岩手での業績は大きいので、今後も期待したい」と話していました。一方、52歳の男性は、「残念な結果です。影に隠れている部分があるように思えて納得がいきません」と話していました。
また、74歳の女性は、「地元としてはよかったのかも知れませんが、どこか引っかかるところのある結果です」と話していました。
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