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'12/11/19

福山競馬が廃止へ 単年度、黒字困難




 福山市が累積赤字19億円を抱える福山競馬について、「来年度の予算は組めない」として競馬事業の継続は不可能との認識を一部競馬関係者に伝えたことが18日、分かった。売り上げの減少が深刻化し、市が事業継続の条件とする本年度の「実質単年度収支の黒字」は困難な情勢。羽田皓市長は近く、本年度内での廃止を表明するとみられる。

 廃止されれば、中国地方に地方競馬はなくなる。存廃の岐路にあるほかの公営ギャンブルにも影響を与えそうだ。

 複数の競馬関係者によると、市幹部が18日、競馬関係者の一部に「売り上げの減少は深刻」などと伝え、事業の継続は不可能との見方を示したという。

 本年度の上半期(4〜9月)収支は、約2100万円の赤字を計上。1日当たりの売り上げも、当初予算の見込みを下回った。市は今月の市議会競馬事業特別委員会などでは、来年度の予算編成について「厳しいが可能かどうか検討を続ける」と説明した。

 17日も売り上げが本年度最低の5358万3100円に落ち込むなど、運営の厳しさは深刻化。競馬場の老朽化、競走馬不足などの課題解決は見通せていない。地方競馬全国協会の補助金も来年度は大幅に減額される見込みで、それを踏まえ、予算編成を断念したとみられる。

 福山競馬は戦後復興の財源確保のため、市が1949年に開設。収益から、市の一般会計へ計約400億円を繰り入れてきた。しかし、レジャーの多様化などでファン離れが進み、98年度以降の繰入額はゼロ。累積赤字も18億6900万円に達した。

 今年7月には、モナクカバキチが地方競馬最多勝記録を更新するなど巻き返しに期待がかかったが、売り上げ減を止められなかった。

 市長の諮問機関の市営競馬検討委員会は2010年9月、「速やかな廃止」を前提に実質単年度収支の黒字を確保できる場合に限って事業継続を認めるよう答申。市も、答申に沿って事業の存廃を判断する方針を示していた。

 馬主や調教師、騎手たちでつくる広島県福山競馬振興協議会幹部の一人は「羽田市長の表明までは継続を前提に、振興に努めたい」と話した。(水川恭輔、東谷和平)

【写真説明】モナクカバキチ(手前)が地方競馬の最多勝記録を更新した福山競馬のレース(7月14日)




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