ただ、この広大な震源域で過去に地震が起きた証拠はない。100~150年周期で起きてきた東南海地震(M8.1前後)や南海地震(M8.4前後)の今後30年以内の発生確率がそれぞれ70%程度、60%程度と高いのに比べ、今回想定の南海トラフ地震が発生する確率はかなり低くなる。
必要なのは、こうした地震モデルを理解し、着実に対策を取ることだ。このため内閣府は今回の公表で「減災対策」の効果の試算に力を入れた。
例えば、最悪のケースとして挙げた「死者32万3千人」は各種の対策を徹底することにより、6万1千人に抑えることができると試算した。
このうち津波による死者は約7割の23万人と見込んでいるが、夜間の場合、地震発生から10分以内に避難する人が20%にとどまるとの前提で算出している。全員がこの時間内に避難を始め、既存の津波避難ビルを活用すれば、80%減の4万6千人に減らせるという。
建物倒壊による死者は、耐震化率を100%に引き上げ、家具の転倒・落下対策も取れば8万2千人から1万5千人に。火災の死者も、初期消火の徹底や、電熱器具の出火を防止するブレーカーの普及で1万人から300人に激減するとした。
防潮堤など大規模なハードの整備には多くの時間と資金を要する。しかし既存建物の活用や、防災意識の向上はすぐにでも着手できる。着実な取り組みの積み重ねが最悪の事態を避けるためには不可欠だ。
地震、巨大地震、防災対策、南海
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