アマゾン ジャパンは電子書籍配信サービス「Kindle(キンドル)ストア」を日本で2012年10月25日にオープンした。11月19日には電子ペーパーを使った電子書籍端末「Kindle Paperwhite」が出荷開始となる。日本での電子書籍サービスに関する最新事情と今後の展望をアマゾン ジャパン ディレクター Kindleコンテンツ事業部長の友田雄介氏に聞いた。(聞き手は、松元英樹=日経パソコン)
――2012年6月末に「Kindle 近日発売」と告知して以来、実際の発売までに時間がかかった理由は。
発売までの時間が伸びたという認識はありません。4月にジェフ・ベゾスCEO(最高経営責任者)は報道機関に対し「年内に発表する」と発言しました。アマゾン ジャパンでも2012年内に開始しようと動いていました。ただ、6月末に近日発売と告知したからといって、1カ月以内に始めようと考えていたわけではありません。
アマゾンは米国で2007年にKindleのサービスを立ち上げ、英国では2010年、2011年は欧州各国で次々にサービスを開始しました。日本でもできるだけ早く開始できるよう準備を整えてきたわけです。さまざまな憶測はありましたが、何か予定が狂ったというわけではありません。
■日本にはアマゾンへの誤解が2つある
――出版社との交渉に時間がかかったと言われている。
日本の出版社だから交渉に時間がかかったという事実はありません。アマゾン社内では、出版社との交渉は、日本でも海外でも同じだねと話しています。我々は日本で既に12年もの間、紙の書籍の販売を手がけてきました。それなりにユーザーの支持を得ていると自負しています。紙の書籍に加えて、電子書籍も取り扱いを開始しますということであり、今さら「黒船がやってきた」という捉え方は違うのではないでしょうか。
日本では誤解が2つあると考えています。一つは「米国ではアマゾンが電子書籍を安売りして価格破壊を起こしている」というものです。例えば、米国では9.99ドルで電子書籍を販売していることが話題となりました。ただ、これは全ての書籍がそうなのではなく、一部の売れ筋タイトルだけなのです。また、9.99ドルがものすごく値下げをしているように感じるかもしれませんが、実は一般の書店でも平積みになっている人気のベストセラーは希望小売価格の半分程度となる12~13ドルで売っているのです。それらと比べると、大幅な価格差があるわけではないのです。
もう一つの誤解は「アマゾンが安売りをすることで出版社の収入が減る」ということです。アマゾンが販売価格を決める「卸売モデル」の場合、実際の販売価格にかかわらず、本来の定価に一定の率を掛けて、売れた数だけ出版社に支払うという形を取っています。だから、アマゾンが安く販売したからといって出版社の取り分が減るということはありません。
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