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紅葉ライトアップ中止も 京の社寺「役目終えた」

今年からライトアップをやめた実相院の庭園。「認知度が上がり、役目を終えた。近所への配慮もある」と理由を挙げる(京都市左京区)
今年からライトアップをやめた実相院の庭園。「認知度が上がり、役目を終えた。近所への配慮もある」と理由を挙げる(京都市左京区)

 紅葉の時期に寺院の庭や建物をライトアップする夜間拝観が京都市内で盛んだが、一方で中止する寺院や施設もある。「観光客に新たな魅力を味わってもらえた」と肯定する声がある半面、「ライトアップが増えすぎて目立たくなった」という事情もあるようだ。

 黒い床に赤いモミジが映り込む「床もみじ」で有名になった、京都市左京区岩倉の実相院は今年、ライトアップをやめた。街中から離れているため、寺の認知度アップも狙って1998年に始め、近年は多くの観光客でにぎわった。同院の岩谷千寿子さんは「周辺住民の理解もあり、観光客に喜んでもらえたと思うが、昼間の拝観者も増えたため役割を終えた」と説明する。

 市内で寺院のライトアップが広がったのは90年代前半。94年の平安建都1200年に向けて行政が呼び掛けたのがきっかけとなった。その後増え続け、現在は約20の寺社で行われ、多くの観光客が訪れる。

 嵐山モンキーパークいわたやま(右京区)は2006年にライトアップを始めたが、4年間でやめた。浅葉慎介園長は「お客さんは増えたが、職員の勤務時間が長くなり疲れ切ってしまった」と話す。家族で守っている寺も同様で、世界遺産の高山寺(同)は「観光シーズンは朝早く来られる参拝者が多く、朝も夜もとなるととても無理。山寺なので、防犯面も難しい」という。

 圓光寺(左京区)は、92年に清水寺とともに始めたパイオニア的存在だが、09年にやめた。近所への配慮や照明設備の老朽化に加え、別の理由もある。大坪慶寛住職は「長年、光を当ててきたためか、少し木が弱ってきて、かわいそうになった」と明かす。「始めた当時は、インパクトが大きかったが、こんなにライトアップ寺院が増えるともう目立たない」と話している。

【 2012年11月15日 15時20分 】

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