ゲテモノ化粧品:人気 カタツムリなどの成分配合/効果疑問視する声も

毎日新聞 2012年11月18日 東京朝刊

 カタツムリやナマコ、ヘビやハチ、ミミズなどが持つ成分を生かした化粧品「多様生物コスメ」が、女性の人気を呼んでいる。韓国での流行を機に、日本でも幅広い世代に浸透してきた。美しさのためなら「ゲテモノ由来」も何のその?【田村佳子】

 韓流ショップが建ち並ぶ東京・新大久保。東京都東久留米市の主婦(47)は「値段が手ごろで触感もいい」と「ヘビ毒入り」の美容液を買った。ヘビ毒の成分に似せて合成した成分を配合し、美肌効果をうたう。「粘液を配合して肌にハリが出る」というカタツムリのクリームを使っている墨田区の主婦(47)は「現物(カタツムリ)のことは忘れて使います」と笑顔で語った。

 カタツムリなど3種の美顔用シートマスクを昨年春から製造発売している「サンスマイル」(本社・東京都)によると、購買層は20代を中心に、10代から60代まで幅広い。

 「どうせならインパクトを出そう」と、商品パッケージに生物の写真を大きくあしらったが、売れ行きは好調。2月には韓国のヘビ毒、ハチ毒ブームを受けて2種を追加。シャンプーやハンドクリームの販売も始めた。

 国内でも思わぬところにブームの影響が出ている。長崎県の大村湾漁協(松田孝成組合長)では、沿岸で取れる特産の乾燥黒ナマコを配合したせっけんを販売。10万個が売れ、漁協の目玉商品の一つに急成長した。

 食品用に加工する際にちぎれたナマコを活用したいと09年に発売した。それが最近のゲテモノ化粧品ブームで知名度が上昇。担当者は「流行が追い風になった」と驚く。

 多くの女性が苦手とする生物が配合された化粧品が、なぜ話題になるのか。甲南女子大の米澤泉准教授(化粧文化論)は「若い女性の間では、韓国製の洋服や化粧品は『安くて高品質』というイメージが定着しているため、受け入れやすかったのではないか。目新しさの一方で、価格も失敗しても許せる程度。遊び感覚で試しているのだろう」とみる。

 化粧品の開発経験を持つ「ビューティーサイエンティスト」の岡部美代治さんは「海外でも実験などで安全性が確認されており、問題はないだろう。信頼できるメーカーかどうかを確かめて買うといい」と話す。

 ただ、効果については疑問視する声も出ている。よしき皮膚科クリニック銀座の吉木伸子院長は「生物が美肌成分を持っていても、化粧品に配合して全てが浸透するとは限らないし、どのくらいの濃度で効果が出るかについても吟味する必要がある」と指摘。使う時は内容をよく理解するよう呼び掛けている。

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