ここから本文エリア 衆議院解散 有権者、苦言相次ぐ2012年11月17日 衆議院が16日、解散された。民主党が大勝した前回の総選挙から3年余り。有権者は政権交代をどう評価し、政治に何を期待するのか。街頭で話を聞いた。 「民主党は公約で期待させて何もしない言い訳の党」。3年前に投票した倉吉市上井の会社員女性(38)は酷評する。小学生の子どもが2人おり、関心は子育て支援と原発対策。しかし、子ども手当のてんまつや福島第一原発の事故対応に期待を裏切られたと感じている。12月の選挙も「年末の忙しいときに、自分たちの勝手で椅子取りゲームをしている」。 鳥取市で製造業を営む男性(59)はこの日、国が休業手当の一部を事業者に補助する制度の申請のため、ハローワークを訪れた。ここ数年、県内経済の地盤沈下を肌で感じる。3年前の総選挙で支持したのは自民党。「ばらまき政策であふれた民主党のマニフェストに信頼が持てなかった」。ただ、自民党がどう変わったかも見えてこない。「自分たちみたいな中小企業の苦しさは増すばかり。自分の給料を削ってでも従業員の雇用は守りたい」。もう政治への期待感はない。 岩美町洗井の農業男性(79)は、3年間の民主党政権について「マニフェストになかった消費税が急に出てくるなど、言ってきたことと、やったことの違いが大きかった」と話す。前回投票した自民党にも「政権をとるなら今のままではダメ。もっとしっかりして欲しい」と厳しい。総選挙の争点にもなる環太平洋経済連携協定(TPP)については「入るにせよ、その影響と効果をしっかり示して、農家も光が見えるようにして欲しい」と話す。 就職活動を控えた鳥取大学工学部の3年生男性(21)は、公務員志望。同じ学科でも2、3割は公務員志望という。「不景気の中、民間企業で働いても不安」。投票権を持って迎える初めての国政選挙だが、「今の政治には期待や、魅力を感じない。投票に行くだけの価値があるのか本当に疑問だ」。 日南町に住む年金生活者の男性(84)は一人暮らし。前回は民主党に期待したが、今回はどこに投票するか迷っている。「与野党が協力して国難に立ち向かわなくてはならないこのタイミングで解散はいかがなものか。民主党も自民政権時代の尻ぬぐいばかりさせられて気の毒な面はあったが、真っ正直すぎて失敗が多かった。戦後復興を支えた年金暮らしの高齢者にもっと優しい政治をしてほしい」と話す。 ◆各党の反応 伊藤保・民主党県連幹事長 大変厳しい戦いとなったが、国民の生活と暮らしをしっかり守り、支えていきたい。唐突であったが、解散された以上は、万全の体制で私たちの政策を県民に訴えていく。 山口享・自民党県連会長 素人集団の民主党政権は、この3年間、国民を欺き続けた。もはや国民は、民主党政治の将来はないものと判断し、国際社会の信用も失ったため、解散は当然だ。政権奪還を目指す。 銀杏泰利・公明党県本部代表 正々堂々と「大衆福祉」を掲げて、停滞した経済・雇用の回復、震災からの復旧復興、安心・希望の社会保障改革など、生活者負担軽減、原発ゼロ社会を訴えていきたい。 岩永尚之・共産党県委員会書記長 公約違反の消費増税を強行し、日本農業を破壊するTPP参加を持ち出し、オスプレイ配備や原発再稼働など国民の利益に反する数々に対する国民の怒りに追い詰められた解散だ。 知久馬二三子・社民党県連代表 消費増税は低所得者など生活が苦しい人ほど大きな負担となる。総選挙では「生活再建、命を大切にする政治、ストップ憲法改悪、憲法理念を実現する政治」に取り組む。
マイタウン鳥取
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