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「拉致」再調査の早期実現を

2012/11/19付
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 日本と北朝鮮がモンゴルで開いた政府間協議は、懸案の日本人拉致被害者の問題で具体的な進展がなかった。協議の継続では合意したという。今後も話し合いを重ねることで、まずは拉致被害者の再調査を一刻も早く実現したい。

 日朝の本格的な政府間協議は2008年以来、約4年ぶりとなった。今年8月の予備協議で早期再開に合意していたが、北朝鮮は拉致問題の議題化に難色を示し、調整が難航していた。

 今回の協議で日本側は拉致問題を提起し、具体的な取り組みを求めた。北朝鮮はこれまで「拉致問題は解決ずみ」と強硬な態度をとってきただけに、協議の継続で合意したことは一歩前進といえる。

 もっとも予断は禁物だ。北朝鮮が協議継続に応じたのは、総選挙後の日本の政治体制を見極める思惑もあるとみられるからだ。

 日本としてはつながった対話の糸を切らず、北朝鮮を粘り強く説得していく必要がある。北朝鮮は4年前の日朝協議で拉致被害者の再調査に応じた。この約束は守られていない。拉致問題の解決に向け、まずは再調査の早期実施を促していくべきだろう。

 経済苦境にあえぐ金正恩新体制にとって、日本の経済支援は手がでるほど欲しいはずだ。北朝鮮が今回、終戦前後に朝鮮半島で亡くなった日本人の遺骨返還などで協力する姿勢を示したのも、支援の獲得が狙いとみられる。

 北朝鮮が真に日本の経済協力に期待するのなら、国交正常化を視野に入れた日朝の抜本的な関係改善をめざすのが筋だろう。そのためには、核、ミサイル、そして拉致問題の包括的な解決が欠かせない。北朝鮮はこれを肝に銘じ、誠意をみせるべきだ。

 日本政府が認定している拉致被害者は17人で、他にも多くの日本人が拉致された疑いがある。このうち帰国を果たしたのは5人の被害者と、その家族だけだ。横田めぐみさんらの帰国はいまだ実現していない。めぐみさんの拉致から35年もの歳月がたっている。

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横田めぐみ、拉致、北朝鮮、拉致被害者

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