はじめに
私が子供のころにはラジオでよく聞いた落語で、「お天道様はお見通しだ」という台詞が出てきました。お天道様は言うまでもなく太陽ですが、ここでは太陽になぞらえて超越的な存在すなわち「天」のことを言っています。日本の庶民のすばらしい教養を持っていたなと感じます。日本人は庶民の隅々まで、”お天道様は見ていらっしゃり、人の行いに賞罰を与える”と信じていたのです。それだけ身近に天を感じていたということです。
本文
「天網恢恢(てんもうかいかい)疎(そ)にして漏らさず」ということわざがあります。「天が世の中のことを把握するのに用いる網は広くて目が粗いけれども小さなことでも漏れなく把握する」という意味です。
最近はあまり聞きませんが、30−40年前まではよく聞いたと想います。いずれも、天は世の中のことをすべて正確に把握しておられるということです。
次のようなことわざもあります:「天は二物を与えず」これは、一人の人がいくつもの美点を持つことはない、資質を与えるにも天は公平だということです。
また、明治時代には、「天は自ら助ける者を助く」という格言がはやりました。天は自ら努力する者に恵みを与えるという意味です
天はすべての初めに自ら存在されるようになり、今でも天界もこの世もすべてを統括しておられます。
天国社会造りに拍車がかかった2008年11月までの3000年間には、人が理解する超越的な存在についてもいろいろな考え方を許されました。つまり一神教における神は天と紛らわしく、僭越なのですが、許されていました。今後は、一柱の神を天と同じように表現する一神教は退潮するでしょう。
天は、中国においては4000年ほど前に30年間ほど出現され、直接お示しをくださいましたが、今回再び出現なさったのです。
その場所が日本であったことは興味深いことです。日本はここ15年ほど経済的に振るわず、「日本よ、もっとしっかりしてよ」と言われています。ですが、一方では、精神的な面で日本を尊敬する動きも目立ちます。
東日本大震災で被災した人たちの辛抱強いしなやかな生き方、その人たちを支援する人たちの温かな思いやりは世界中の人たちから賞賛されています。
由紀さおりさんの日本的な歌声、人工的キャラクター初音ミクの人工的歌声が絶賛されているのも世界的社会現象です。
明治時代にも日本を好意的に紹介した外国人がありましたが、今でも日本への帰化を決めたアメリカのコロンビア大学名誉教授ドナルド・キーンのような外国人がいます。
日本は、これから精神的な面で世界をリードする役目があるのですが、その兆しが現れているようです。日本人はもっともっと向上しなくてはなりません。
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