要するに…
・ヤマダ電機などが「顧客流出」「粗利率の低さ」を理由にKindleの販売を見送り
・デジタル化による顧客流出は長期的に見て不可避
・ECサイトへの注力と、サービスの向上が家電量販店がこの先生きのこる道か?
日経に面白い?記事が上がっています。
顧客流出につながるからKindleは売らない
日経いわく、
ヤマダ電機など家電量販大手3社は米アマゾン・ドット・コムの携帯端末「キンドル」シリーズの販売を見送る。アマゾンは19日に日本で電子書籍端末の出荷を始め、12月には小型タブレット(多機能携帯端末)を発売するが、各社は家電販売でアマゾンと激しい価格競争を展開している。キンドル普及を後押しすることは、アマゾンの通販サイトなどへの顧客流出につながると判断した。
とのこと。もう一点、「店舗側の粗利率が10%以下で他の商品に比べて利益が出にくい」のも理由の一つだそうです。Amazon自身が赤字覚悟で販売しているといいますし、むしろ粗利率の低さが大きい要因なんでしょうね(というか、そうであってほしい)。
不可避の変化を前に、悪あがきをしているように見える
「消費者が店舗をショールームのように利用し、実際に家電などを購入する際はアマゾンをはじめネット通販で割安な商品を選ぶ「ショールーミング」と呼ばれる動きが広がることを警戒している」そうなのですが、これって非常に近視眼的ですよね。
Kindleの店舗販売をやめたところで、5年〜10年スパンで見たら「ショールーミング」はどうやっても広がっていくでしょう。というか、「家電量販店だけ」を見て買う人なんて、僕ら世代では既にマイノリティなんじゃないでしょうか。少なくとも大型家電を買う際は、価格コム見てますよね普通。
「顧客流出になるから売らない」というのは、デジタル化という不可避の地殻変動に対して、「悪あがき」をしているように見えてしまいます。
ECに力を入れる
ではどうすればいいのか?というと、答えの一つは「ECに力を入れる」ということになるでしょう。
話で聞いただけなので実在するのか確認できていないのですが、韓国には「展示のみ」しか行わない家電販売店があるそうです。店舗はあくまで展示と接客のみで、実際に買う時は自社のECで買ってくれ、という割り切ったスタンスだとか。
Amazonに出店しているビックカメラは、これに近いスタンスといえるかもしれません。
オンライン空間の価格競争は苛烈ですが、長い目で見たら、逃げることはできないのでしょう。
家電量販店ならではのサービスを磨いていく
もう一つは、これもわかりやすいですが、「サービスの向上」なのでしょう。
ちょうど先日、冷蔵庫の買い替えにあたってビックカメラ有楽町店に行ったのですが、販売員の方の知識レベルの高さに感動しました。あまりにも感動したのでブログにまとめてしまったほどです。
東芝(VEGETA)、SHARP、三菱の冷蔵庫の特徴・違いを聞いてきた | ihayato.news
もちろん冷蔵庫はビックカメラ有楽町店で購入しました。個人的にはビックカメラのイメージはとても良好です。
一方で、どことは言いませんが、ある家電量販店チェーンの接客・知識レベルは、ビックカメラで受けたものと比較すると、とても残念なものでした。
正確な値段が書いていなかったので、近くにいたスタッフに話しかけたところ「あ、納入業者なんで」と一言でスルーされ、ようやく担当の店員を見つけたのですが、知識レベルも微妙と言わざるをえない感じ。これだったらネットで買った方がいいです。
とはいえ、サービスを磨くのはコストにもつながりますし、ネットで安値を維持するのも困難だと思います。「どこで買っても大差ない」という現状をどう抜け出すかに、家電量販店の運命は掛かっているのでしょう。何がブレークスルーになるのか、注目していきたいところです。
みなさんは家電量販店の未来についてどう考えますか?「ショールーミング」はしていますか?どういった要素があれば、量販店で商品を購入しますか?ぜひコメント欄で教えてください。
関連本。家電量販店における接客術を扱った一冊。業界を理解するにはよさそうな一冊です。