秋田のニュース
被災者の自殺予防へタッグ 北東北3県民間団体2月連携組織
 | 被災地で相談活動をする佐藤さん(左)=1月、岩手県山田町 |
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東日本大震災で大きな被害を受けた岩手県の被災者らの自殺を防ごうと、自殺対策に取り組む北東北3県の民間団体が連携して来年2月、「北東北自殺予防民間団体等ネットワーク ソレイユネット」(仮称)を設立する。
ソレイユネットには、秋田市で中小企業経営者の自殺防止に取り組んでいるNPO法人「蜘蛛(くも)の糸」など、秋田、青森、岩手各県の計30〜40団体が参加する予定。被災地で弁護士や産業カウンセラーらが相談会を開くほか、シンポジウムなども企画する。 今月24日に3県の約10団体が集まり、岩手県釜石市で準備会を立ち上げた後、来年2月上旬に組織を発足させる。3月に1回目の相談会を開く。 3県連携の発案者は、蜘蛛の糸の理事長佐藤久男さん(69)。佐藤さんは東日本大震災後の2011年4月から毎月、岩手県内で、被災した経営者の相談を受けてきた。青森、秋田両県の民間団体とともに相談会を開いたり、仮設住宅で傾聴活動を進めたりした。「さらに支援強化が必要」と感じ、3県による組織化を考えたという。 岩手県障がい保健福祉課によると、11年の岩手県内の自殺者数は401人(警察庁まとめ)で、10年の467人から減り、ことしは10月末現在、303人(速報値)。 佐藤さんは「新潟中越地震の直後は新潟県内では自殺者数が減ったが、翌年には自殺者数の数値が戻った」と前置きし、「大震災直後は日々の厳しい現実やボランティア活動に支えられることで、被災者が自殺を思いとどまったのではないか」と推察する。仮設住宅生活の長期化で希望が見いだせなくなるなど、今後、自殺者数が増加することが懸念されるという。 佐藤さんは「他県とスクラムを組みながら事前に対策を取っていきたい」と話している。
2012年11月19日月曜日
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