東京電力:都に52億円請求 水力発電、解約金として 猪瀬副知事、支払い拒否
2012年11月17日
東京都は16日、都の水力発電事業を巡って売電契約の解除を東京電力に申し入れたところ、東電から約52億円の解約金支払いを求められたことを明らかにした。記者会見した猪瀬直樹副知事は「法外な要求だ。毅然(きぜん)とした態度で拒否する」と述べ、支払いに応じない意向を示した。
都は青梅市など3カ所にダムを利用した水力発電所(出力計3・65万キロワット)を持ち、電気を全て東電に売っている。しかし単価は1キロワット時当たり6〜9円と安く、都は東電の独占体制を改めるため東電以外の特定規模電気事業者(PPS)にも売電できるよう9月に条例を改正。来年度から入札で売電先を決めるとして、東電に19年3月まで残っている契約の解除を求めていた。
都によると、東電は残り約6年分の火力などでの代替発電コストや、過去に肩代わりしていた発電所の修繕費用などとして、51億8800万円の損失補償を要求したという。東電広報部は「顧客に少しでも安く電気を供給できるよう、都と引き続き協議する」としている。【柳澤一男】