石原新党:都知事辞職、衆院選出馬を表明 後継は猪瀬氏
毎日新聞 2012年10月25日 15時10分(最終更新 10月25日 23時09分)
東京都の石原慎太郎知事(80)は25日、都庁で開いた緊急記者会見で「今日をもって辞職する」と述べ、新党を結成し党首として次期衆院選の比例代表に出馬すると表明した。会見後、都議会の中村明彦議長に辞表を提出した。石原氏は、たちあがれ日本の国会議員や民主党を離党した無所属議員らが新党に参加予定とし、橋下徹大阪市長が率いる日本維新の会とも「連帯、連携する」と言及。後継は「猪瀬さんで十分」と猪瀬直樹副知事(65)を指名した。都知事選は12月9日か16日に実施される公算が大きい。
会見で石原氏は「命のあるうちに最後のご奉公をしたい」「日本を支配する、硬直した中央官僚の支配制度を変えないと駄目だ」と述べ、新党の政策として中央集権体制の打破や現憲法の破棄などを挙げた。「(新党の結成は)今日でも明日でもやる。準備はできている」とも話し、たちあがれ日本の政治塾生30〜40人の中からも候補者を擁立するとした。
また、次期衆院選で自民党が過半数に届かないながらも第1党になると予測したうえで「今の自民党は評価していない」と発言。野田政権の原子力政策にも「緻密な計画を練って何%依存すべきか論じたらいい。それもなしに30年代でゼロにするなどというのは提案にもならない」と批判し、民主、自民両党に対抗する第三極の立場を強調した。維新との関係についても「連合になるかは分からないが、あるステージになればそうなるかもしれない」と連携に意欲を示した。
任期を約2年半残して知事を辞職することには「仕方ない。都民のためにもっと役に立つ仕事をしようとしてるんだから」と理解を求めた。「私が総理大臣になることは全くない」とも話した。
石原氏とたちあがれ日本の平沼赳夫代表は25日夕、同党本部で会談。その後、平沼氏は記者団に対し、30日の拡大支部長会議で解党を正式決定し、11月上旬に石原新党を発足させる考えを示した。
たちあがれ日本に所属する衆参の5議員全員が参加することも表明。同党以外からも「現職議員何人かの参加が決まる可能性が大きい」と強調した。
石原氏はその後、無所属の亀井静香前国民新党代表とも都内のホテルで対応を協議した。