通学路:歩道なし30%、簡易整備だけ12% 国交省調査

毎日新聞 2012年10月23日 02時30分(最終更新 10月23日 09時21分)

通学路の整備状況
通学路の整備状況

 全国の国道と都道府県道で通学路に指定されている4万4152キロのうち30%、1万3103キロは昨年3月末時点で歩道が全く整備されていないことが国土交通省の調査で分かった。規定未満の狭い歩道を設置したり路側帯をカラー舗装したりするだけの「簡易整備」も5370キロと12%に上り、未整備と合わせると安全対策が不十分な通学路は4割超。4月に京都府亀岡市で集団登校中の児童ら10人が死傷した府道も簡易整備だった。

 この通学路は「交通安全施設等整備事業の推進に関する法律」(交安法)に基づき国家公安委員会と国交相が指定。児童らが1日40人以上通るか、学校の出入り口から約1キロ以内にある道路とされる。

 このうち歩道(道路構造令で幅2メートル以上と規定)を整備しているのは、国管理の国道では80%に上るが、都府県管理の国道で62%、都道府県道では53%に過ぎず、全体では58%にとどまっていた。

 また、2メートル未満の狭い歩道を設置したり路側帯をカラー舗装したりする簡易整備は、国管理の国道で16%、都府県管理の国道で13%、都道府県道で11%、全体では12%。亀岡市の事故現場の府道も簡易整備で、車道幅は3.9メートル、両側の歩行空間はそれぞれ1.15メートルと狭かった。

 簡易整備すらない未整備は、国管理の国道で4%、都府県管理の国道で24%、都道府県道で35%、全体では30%に上った。

 交安法は、事故が多発したり安全確保の必要があったりする道路について、歩道などを設ける費用の一部を国が自治体に助成すると規定。10年度からは、国が助成費を一括して交付金で支出する仕組みになり、自治体が交付金を活用し歩道整備などを行う形になった。しかし、歩道整備は明確に義務づけられず、道路幅の制約などから整備が滞っているところが多いとされる。

 道路政策に詳しい岡山大大学院の橋本成仁准教授は「誰もが歩道のあるところを通学路に指定したいが、そもそも歩道のない道路は多い。統計は日本のインフラ状況を如実に表している。登下校に限らず危険な道はあるので、町全体で安全を考える必要がある」と話している。【馬場直子】

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