大学生の意識変化:人間関係より勉強重視 就職難を反映

毎日新聞 2012年10月22日 21時58分(最終更新 10月23日 02時37分)

大学生活の重点
大学生活の重点
大学生の収入と消費
大学生の収入と消費

 勉強第一で大きな買い物はせず、奨学金で学費を賄う−−。全国大学生協連がバブル崩壊後からこれまで20年間の大学生の変化を分析した。不況が続く中、まじめ化と緊縮化が進んでいるようだ。

 大学生協連は1963年から、加盟大学を対象に学生生活実態調査を続けている。今回は91〜2011年の回答を研究者5人が分析した。この間大学進学率は25.5%(91年)から51%(11年)に上昇した。

 大学生活の重点を「勉強第一」とする回答は、11年は27.1%で1位。91年は19.9%だった。一方「豊かな人間関係」は26%(91年)から13.4%(11年)に半減した。

 収入と支出では、1カ月の仕送り額は9万450円(91年)から6万9780円(11年)に減り、家電や家具など耐久消費財支出(半年間)は6万600円(91年)から1万7000円(11年)に激減している。

 日本学生支援機構の奨学金受給率は34.6%(11年)と初調査の05年から7.4ポイント増。旧文部省や同機構が実施した他の奨学金も含めた受給率調査(90年21.8%→10年50.7%)と同様、経済状況の悪化が読み取れる。

 また、アルバイトで稼ぐ金額は自宅生が3万9570円(91年)から2万9500円(11年)に、下宿生が2万6550円(同)から2万1540円(同)に減った。コンビニなど時給の低いアルバイトが増えたためとみられる。

 分析班座長の武内清.敬愛大特任教授(教育社会学)は「就職難を肌で感じ、失敗が許されない時代に適応しようとまじめ化が進んでいる」、小林雅之・東京大大学総合教育研究センター教授は「進学率が上がって低所得層の家庭が増え、学費負担が親から子どもにシフトしている。学生間でも格差が生まれている」と分析している。

    ◇

 分析はシンポジウム「バブル崩壊後の学生の変容と現代学生像」(11月5日午後3時、東京.日比谷図書文化館)で報告される。参加無料。申し込みは全国大学生協連電話03・5307・1125。【榊真理子】

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