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組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」
【第12回】 2012年11月14日
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渡部 幹 [早稲田大学 政治経済学術院 客員主任研究員]

良い大学、良い会社、良い結婚で生きていけるのか?
「堤防型社会」で負ける人、荒波に揉まれて勝つ人
――処方箋⑫“籍”を持つことで安心せずに“職人”の行動規範を持て

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 婚活でも「良い相手を見つけて結婚して安心したい」がために行なっている人が多い。だが結婚後こそ、家庭を築き、維持し、お互いにとって魅力的な人生のパートナーであり続けるための努力が必要となるのに、そのことをわかっている人は少ないように思う。

「○○すれば安心」とは言えない
若い世代はちゃんとわかっている

 このように、筆者自身も含めて、「○○すれば安心」を無意識のうちに求めている日本人は、相当多いように思う。

 すでに堤防は決壊しているのだ。

 だが、まだ決壊していないと信じて安心を求める風潮が、今の日本では強すぎると筆者は考えている。そしてこの風潮は、日本社会全体の活力を削いでいる。

 今の若い世代には、直観的にそのことをすでにわかっている人々が多い。

 先日面談したある学生は、就職活動を1年遅らせて中国へ留学し、語学力を磨いてから、国際的なビジネスを見据えた起業を考えていると話した。その学生は、すでにTOEICが890を越え、米国留学も経験しており、日本語、英語、中国語のトリリンガルとして、世界の中で生き残りをかけている。

 また別の学生は、学部卒業後すぐに経済学の世界的名門校であるロンドン・スクール・オブ・エコノミクスの経営大学院に留学を決めた。3月に卒業して9月に留学するまでの間に、卒論を英文論文にまとめて海外一流学術誌に投稿した。大学院終了後はビジネスの世界でやっていくつもりだが、学術的な素養も必要と考え、研究者としてのキャリアアップも同時に進めている。

 このように、「安心などない」「堤防などない」ということをすでに前提として、自分で道を拓こうとする若い世代は増えてきている。

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渡部 幹(わたべ・もとき)
[早稲田大学 政治経済学術院 客員主任研究員]

UCLA社会学研究科Ph.Dコース修了。北海道大学助手、京都大学人間・環境学研究科助教を経て、現職。実験ゲームや進化シミュレーションを用いて制度・文化の生成と変容を社会心理学分野の視点から研究しており、それらの研究を活かして企業組織にも様々な問題提起を行なう。代表的な著書に『不機嫌な職場 なぜ社員同士で協力できないのか』(共著、講談社刊)。その他『ソフトローの基礎理論』(有斐閣刊)、『入門・政経経済学方法論』、『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』 (共著、講談社)など多数。


組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」

職場で「不快感」を訴える社員が急増している。成果主義的な評価制度を導入する企業が増えたことにより、チームワークよりも自分の業績を重視する社員が増え、「ギスギス職場」が生まれているからだ。一方で、年功序列と終身雇用が崩壊しつつある職場では、職場の「世代間ギャップ」もかつてなく広がっている。こうした職場は結束やコミュニケーションを失い、社員の不快感は増していく。職場の不快感を取り除くには、制度的な「仕組み」を導入するだけでは不十分だ。部下1人1の「心」に効く、メンタル・マネジメントの方法論を上司が体系的に理解しておく必要がある。この連載では、日本の職場で起こりがちな「不快感」の臨床例を毎回わかりやすく紹介し、それを解決するメンタル・マネジメントの方法論を、社会心理学的な視点を織り交ぜながら、詳しく解説していく。

「組織の不調は社員を枯らす!職場の不快感に効く「メンタル・マネジメント」」

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