日立、ソニーと相次ぐ工場閉鎖に揺れる岐阜・美濃加茂の悲鳴

[2012年11月03日]


日立に続き、来年3月にはソニーの工場の閉鎖が決定。地域経済が受けるダメージは計り知れない

10月19日、ソニーが岐阜県美濃加茂市にある子会社の工場を来年3月に閉鎖すると発表した。この一報に、美濃加茂市役所の幹部A氏はこう落胆する。

「従業員約2400人のうち、直接雇用の800人は市外の別工場に異動させるようですが、派遣など非正規1600人は契約更新されません。その大半が美濃加茂市民と思われます。一度にこれだけの雇用が町から失われるとは」

美濃加茂市に厳しい現実を突きつけたソニーの発表は、まさに青天の霹靂(へきれき)だった。

「19日の15時頃、ソニーのホームページ上で初めて工場の閉鎖を知りました。事前の連絡はまったくありませんでした」(A氏)

突然の撤退通告に市役所は大混乱。17時、部長級7名が緊急招集され、異例の幹部会が開かれた。

「『まさか』『本当にソニーが?』と、出席者全員、現実を受け止められない様子でした」(A氏)

その落胆ぶりを見かねた渡辺直由市長は「このピンチをチャンスに変えろ!」と幹部職員に“活”を入れたようだが……。

「これほどの規模の工場閉鎖は過去に経験がなく、その後の影響が計り知れません」(A氏)

この美濃加茂市、街中を歩くとポルトガル語が目につく。飲食店の看板、指定避難所マップ……。市の広報アナウンスも日本語の後にポルトガル語が流れる。

「市の人口(約5万5000人)の1割弱が外国人、そのうち半数強がブラジル人(約2500人)。20~30代の若者が多く、市内の大手メーカーの工場で期間従業員として働いています」(A氏)

だが、市の玄関口、JR美濃太田駅の駅周辺に点在するブラジル人向けの飲食店やスーパー、人材派遣会社はどこもシャッターを閉めたまま。「ブラジル人の住民数は最盛期だった2008年11月(約3800人)を境に年々減少。現在は約2500人まで減っている」のがこの町の現状だ。

「07年に富士通子会社の半導体工場が、09年にパナソニック子会社の工場(大野町)が閉鎖され、今年8月末には日立が市内工場でのテレビ生産を打ち切りました。各家電工場の生産ラインを支えていた多くのブラジル人は派遣会社から契約を打ち切られ、祖国に帰ってしまいました」(A氏)

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