日本維新の会:「大同団結」政策骨抜き…太陽の党と合流
毎日新聞 2012年11月18日 10時20分(最終更新 11月18日 10時41分)
維新が17日に発表した第1次公認候補は47人にとどまる。選挙準備の遅れは地盤の近畿以外で特に目立つ。東京を中心に高い知名度を持ち、都知事選で圧勝した石原氏は魅力だ。橋下氏は「全国遊説は石原氏と回りたい」と強調した。代表ポストを石原氏としたのも、大阪中心の支持を全国に広げるきっかけとしたいという狙いがある。
一方、手勢を欠く石原氏にとってもアピール力の高い橋下氏との連携は欠かせない。橋下氏への距離感が違う太陽の平沼赳夫氏らの了解できる範囲で、「中央集権打破」のイメージを優先した。
石原氏は全体会議のあいさつで「小さなことはこれから議論すればいい。国を変えるため大きな眼目二つか三つ掲げて力を合わせよう」と語り、政策の棚上げを正当化した。【坂口裕彦、熊谷豪】
◇みんなの党に配慮、競合は2区
維新は当初、80人以上を1次公認する方針だったが、17日発表されたのは47人で、擁立作業の遅れが目立っている。「第三極」として連携を目指すみんなの党と競合する選挙区は2区にとどまり、一定の配慮がうかがえる。ただ、同党から維新に乗り換えた候補もおり、連携の行方を懸念する声も上がる。
「燃え尽きるまで戦いましょう」。橋下氏はこの日の全体会議でメンバーを激励。候補を会場に招き、石原氏とともに一人ずつ握手を交わした。
維新の松井一郎幹事長は今月5日、「1区を中心に候補者を割り振りたい。象徴的な選挙区になる」と語り、各都道府県の小選挙区の1区に優先して候補者を擁立する方針を示していた。都市部の多い1区は無党派層を取り込みやすく、比例票の上積みにもつながるとの計算だった。
しかし、結局、1区擁立が決まったのは、北海道や群馬、大阪、熊本など8道府県。維新幹部は「候補者が海外にいたり、会社の退職手続きが間に合わなかった。辞退者も多い」と焦りを募らせる。
地域の偏りも大きい。比例代表のブロック別では47人のうち21人が近畿。北陸信越はゼロで中国と四国は1人。26府県では候補者が決まっていない。一方でみんなの党への配慮も目立った。同党と候補者が重複したのは北海道2区と東京23区のみ。維新関係者によると、みんなの候補がいる兵庫7区にも擁立する予定だったが、急きょ10区に変更した。