ヘリ不正納入:防衛省、川重との契約解除検討

毎日新聞 2012年11月18日 02時30分(最終更新 11月18日 09時10分)

 陸上自衛隊の次期多用途ヘリコプター「UH−X」を巡る不正納入事件で、防衛省が同機の開発事業を受注した川崎重工業との契約解除の検討を始めたことが分かった。東京地検特捜部による官製談合防止法違反容疑での捜査を受け、既に来年度予算の概算要求に関係費用を計上することを見送っている。今後、捜査の進展を踏まえて判断する。

 これまでの防衛省の調査や特捜部の捜査で、同省技術研究本部(技本)に所属していた2等陸佐が昨年5月、川重幹部らに企業選定の評価基準原案や、競争相手の富士重工業の開発構想などの書類を渡したことが判明。企業選定の公平性を損ねた官製談合防止法違反や、職務上の秘密を漏らすことを禁じる自衛隊法に違反した疑いがある。

 UH−Xは、陸自が現在約140機保有しているUH−1の後継機。17年度までに約280億円をかけて開発し、1機当たり約12億円、約180機を調達する予定で、防衛省は今年3月、初年度分として川重と35億円で随意契約し、今年度は183億円の予算を計上していた。

 しかし、特捜部が9月4日に技本や川重など関係先への家宅捜索に踏み切ったことから、防衛省幹部は「このまま事業を継続するのは国民の理解が得られない。事業のあり方の再検討も必要かもしれない」と説明。来年度予算の概算要求から関連費用を外した。

 ただし、UH−1の購入は既に終了し、今後、老朽化に伴う退役で保有数は減少していく見通し。UH−Xの開発は防衛予算の削減などを背景に陸自の当初構想より数年遅れており、陸自内には早期の後継機配備を求める声が強い。君塚栄治陸上幕僚長は定例記者会見で「捜査内容、期間により装備に影響が出ないか心配している」と懸念を示していた。【鈴木泰広】

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