日本経済新聞

11月18日(日曜日)

日本経済新聞 関連サイト

ようこそ ゲスト様

コンテンツ一覧

Tech Frontline

国立競技場、1300億円で建て直し 英建築家案を採用

2012/11/15 17:21
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
この記事をはてなブックマークに追加
この記事をmixiチェックに追加
この記事をLinkedInに追加

 新国立競技場の国際デザイン・コンクールで、英国の建築設計事務所、ザハ・ハディド・アーキテクトが最優秀賞を射止めた。コンクールを主催する日本スポーツ振興センターが11月15日に審査結果を発表した。優秀賞はオーストラリアの建築設計事務所、コックス・アーキテクチャー ピーティーワイ エルティディ。入選は日本のSANAA + 日建設計だった。賞金は、最優秀賞2000万円、優秀賞700万円、入選は300万円。最優秀者は、基本設計や実施設計、施工の各段階でデザイン監修に当たる。

最優秀賞に選ばれた英国の建築設計事務所、ザハ・ハディド・アーキテクトのデザイン案

最優秀賞に選ばれた英国の建築設計事務所、ザハ・ハディド・アーキテクトのデザイン案

東京都新宿区にある国立競技場(2009年06月)

東京都新宿区にある国立競技場(2009年06月)

 コンクールは、東京都新宿区にある現在の国立競技場の建て替え案を募るもの。総工事費は解体費を除いて1300億円程度を見込む。完成は2018年度。19年のラグビー・ワールドカップ開催に間に合わせる。東京都が招致を目指す20年夏季五輪ではメーンスタジアムと位置付けている。8万人収容の全天候型競技場という条件で、基本構想を公募していた。

 審査は、建築家の安藤忠雄氏が委員長を務める審査委員会が担当した。9月25日までに国内12点、海外34点の計46作品が応募。10月16日に実施した1次審査では、国内4点、海外7点の計11点が通過した。最終審査は11月7日に実施していた。

 ザハ・ハディド・アーキテクトの代表者のザハ・ハディド氏は、ロンドンを拠点に活躍する女性建築家。1950年イラク・バグダッド生まれ。曲線、直線、鋭角が織りなす流動的でダイナミックなデザインで知られる。かつては「建てた建築よりも、実現しなかったプロジェクトの方が有名」と言われたこともあったが、実績を重ね、04年に、「建築界のノーベル賞」といわれるプリツカー賞を女性で初めて受賞した。09年には、高松宮殿下記念世界文化賞を受賞。12年のロンドン五輪では水泳競技施設「アクアティクス・センター」を設計した。

 審査講評の中で、安藤委員長はザハ案を「強いインパクトをもって世界に日本の先進性を発信し、優れた建築・環境技術をアピールできるデザインである」と高く評価。最優秀案に選んだ理由として「橋梁ともいうべき象徴的なアーチ状主架構の実現は、現代日本の建設技術の粋を尽くすべき挑戦となる」、「自然採光・自然換気・太陽光発電・地中熱利用・中水利用・雨水利用のクーリングシステム等の提案においても、日本の優れた環境技術が十分に生かされるだろう」と強調した。

 建設・不動産分野の専門サイト「ケンプラッツ」は、どの応募者が最優秀賞を獲得すると思うかを尋ねる読者調査を事前に実施していた。その予想で本命視されていたSANAA + 日建設計は、最優秀賞を逃した。

(ケンプラッツ 佐々木大輔)

会員になるとニュースメールを受信できます(無料)。有料プランなら、スマホやタブレットでもご覧になれます(申し込み月無料)。今すぐ申し込む
小サイズに変更
中サイズに変更
大サイズに変更
印刷
この記事をはてなブックマークに追加
この記事をmixiチェックに追加
この記事をLinkedInに追加
関連キーワード

国立競技場、安藤忠雄、ザハ・ハディド・アーキテクト、SANAA、コックス・アーキテクチャー ピーティーワイ エルティディ、日建設計、コンペ

日経BPの関連記事

【PR】

【PR】

Tech Frontline 一覧

最優秀賞に選ばれた英国の建築設計事務所、ザハ・ハディド・アーキテクトのデザイン案

国立競技場、1300億円で建て直し 英建築家案を採用

 新国立競技場の国際デザイン・コンクールで、英国の建築設計事務所、ザハ・ハディド・アーキテクトが最優秀賞を射止めた。コンクールを主催する日本スポーツ振興センターが…続き (11/15)

自社のものづくりの哲学について語る、台湾エイスースのジョニー・シー(施崇棠)董事長

台湾PC大手エイスース、躍進生んだ「全員開発」

 パソコン世界シェア5位の台湾エイスース(ASUS=華碩電脳、旧アスース)が躍進を遂げている。5年前に「5万円パソコン」の草分けとして脚光を浴びた同社は、…続き (11/15)

新製品の「TAICHI(タイチ)」を発表する施董事長(14日午後、東京・渋谷)

スマホの日本参入「難しいからこそ挑戦」エイスース施董事長

 台湾パソコン大手、エイスース(ASUS=華碩電脳、旧アスース)のジョニー・シー(施崇棠)董事長は日本経済新聞記者とのインタビューに応じ、日本のスマートフォン(高機能携帯電話=スマホ)市場への参入につ…続き (11/15)

新着記事一覧

最近の記事

【PR】

モバイルやメール等で電子版を、より快適に!

各種サービスの説明をご覧ください。

TwitterやFacebookでも日経電子版をご活用ください。

日経産業新聞 ピックアップ2012年11月16日付

2012年11月16日付

・日産、実るか東風人脈
・三井不動産レジデンシャル、EV対応マンション供給拡大
・アライドアーキテクツ、台湾進出 SNS活用の販促支援で
・カーメイト、乳児席を運転中に見守り アプリ活用
・ダイセル系、東南アで浄水用水処理膜に参入…続き

日経産業新聞 購読のお申し込み
日経産業新聞 mobile

[PR]

関連媒体サイト

【PR】

ページの先頭へ

日本経済新聞 電子版について

日本経済新聞社について