衆院選:民主、羽田国交相公認せず 「脱世襲」強調
毎日新聞 2012年11月17日 18時25分(最終更新 11月17日 21時45分)
民主党は17日、衆院選長野3区で羽田孜元首相の後継として立候補を検討している長男の羽田雄一郎国土交通相(参院長野選挙区=当選3回)を公認しない方針を固めた。民主党は内規で、現職議員の死亡・引退直後に同一選挙区から3親等以内の親族が立候補することを認めていない。これを厳格に適用することで世襲候補の多い自民党との対立軸を鮮明にする狙いがある。
野田佳彦首相は16日の衆院解散直後の記者会見で「脱世襲政治を推進するために政治改革の先頭に立つ。世襲政治家が跳梁跋扈(ちょうりょうばっこ)する古い政治に戻ってはならない」と表明した。これを受け安住淳幹事長代行が17日、仙台市で記者団に「新しく立候補する方には(内規の)規制があり、守る」と明言。「脱世襲は政治改革の一丁目一番地。いろんな人に政界に出るチャンスを与え、政治を変えるのが民主党の原点だ」と述べた。
長野3区では羽田元首相の後援会が雄一郎氏の擁立へ動いており、本人もくら替えに前向きとされる。党長野県連代表の北沢俊美元防衛相は17日、長野市で記者会見し「雄一郎議員は参院で3期当選した現職大臣。確立した政治家としての立場を全然考慮していない」と党方針を批判。党本部と県連が対立する可能性がある。
一方、自民党は今回引退する福田康夫元首相や武部勤元幹事長らの選挙区で、後継候補を公募したうえで長男や次男が党公認を得るケースが相次いでいる。【横田愛、 渡辺諒】