2010/02/14 本紙掲載
明和小1年(鹿児島市)
石走 玲旺(いしばしり・れお)くん
ボール投(な)げをして遊(あそ)んでいるときに風が吹(ふ)くと、ボールが流(なが)されたり転(ころ)がったりして、うまく取(と)れません。風はなぜ吹くのでしょうか。どこから吹いてくるのでしょうか。 |
お答えします |
森本 正夫(もりもと・まさお)さん
鹿児島地方気象台観測予報課・地球温暖化情報官 |
-空気の流れ 季節・時間も関係-
一言(ひとこと)でいうと、空気の流(なが)れのことを「風」といいます。
新聞(しんぶん)やテレビの天気予報(よほう)で出てくる「高気圧(こうきあつ)」「低気圧(ていきあつ)」という言葉(ことば)は知っているよね。高気圧の中では、空気が上空(じょうくう)から地面(じめん)に向(む)かって流れています。地面にぶつかった空気は地面にもぐれないから、まわりへ広がるように流れていきます。
低気圧の中では、空気は上空に向かって流れるので、地表(ちひょう)では空気が少なくなります。このため、周囲(しゅうい)から低気圧に向かって空気が流れこんできます。
このように、高気圧から吹き出す空気と低気圧に流れこむ空気の流れが風の正体(しょうたい)というわけです。
季節(きせつ)や時間(じかん)によって吹(ふ)く風もあるんだよ。
冬になると、北で発生(はっせい)するシベリア高気圧が強くなり、冷たい北西(ほくせい)の季節風(きせつふう)が吹いて日本に雪(ゆき)を降(ふ)らせます。夏になると、南にある太平洋(たいへいよう)高気圧が強くなり、温(あたた)かくて湿(しめ)った南東(なんとう)の風が吹いて日本の夏を蒸(む)し暑(あつ)くします。
また、夏は太陽(たいよう)の強(つよ)い光(ひかり)で陸(りく)地が温められて、上にのぼる空気の流れができて、海から陸に向かう「海風」が発生します。夜になると海よりも陸地が早く冷(ひ)えるので、上空から地面に向かう空気の流れができて、昼間(ひるま)とは逆(ぎゃく)に陸から海へ向かって風が吹く「陸風」が発生します。
風は、たこあげをしたり風力発電(ふうりょくはつでん)で電気(でんき)をおこしたりして、遊(あそ)びや生活(せいかつ)に役立(やくだ)ちますが、台風(たいふう)のように強すぎる風は災害(さいがい)をおこすことがあります。
台風は赤道(せきどう)近くで発生する「熱帯低気圧(ねったいていきあつ)」の中で、中心付近(ふきん)の風が強いもの[最大風速(さいだいふうそく)が秒速(びょうそく)17.2メートル以上]です。最大瞬間(しゅんかん)風速の日本記録(きろく)は1966(昭和41)年9月、台風24号のときに富士山(静岡県)で観測(かんそく)した毎秒91メートルです。 |

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