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【群馬】

「スバル」好調で活況に沸く太田 富士重群馬工場フル稼働、社員採用も

フル稼働が続く富士重工業群馬製作所の製造ライン=太田市で(同社提供)

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 中国での販売落ち込みやエコカー補助金の終了で自動車市場に逆風が吹く中で「スバル」ブランドを展開する富士重工業が好調だ。新型「インプレッサ」や「BRZ」は国内や北米で納車待ちが続き、生産拠点の群馬製作所(太田市)周辺は活況に沸いている。

 群馬製作所は期間従業員を昨年春の二倍の約二千二百人に増やし、残業や休日出勤でフル稼働。隣の大泉町にある三洋電機東京製作所の早期退職者約百五十人を受け入れるなど、正社員採用にも積極的だ。

 地域住民らを招いて四日に群馬製作所で開いた「スバル感謝祭」は、昨年を約三千人上回る約二万五千人が来場。製造ライン見学や従業員による模擬店を楽しむ家族連れでにぎわった。

 富士重の増産は部品製造など地元の関連産業にも波及している。太田商工会議所中小企業相談所の金子俊樹所長は「これまで取引のなかった小規模な会社にまで仕事が回ってきている。二十四時間態勢でやっている下請け工場もあり、どこも手いっぱいの状態だ」と話す。

 地域経済の好調さは周辺の地価にも反映。県が九月に発表した基準地価調査では県内商業地の下落が続く中、太田市だけ横ばいの地点が現れた。

 富士重の近藤潤副社長は「中国の状況も見極めながら、さらに生産能力を増強したい」と話し、来年夏までに群馬製作所の生産を過去最大規模の年間六十万台にする計画だ。

 一方で円高によるコスト削減も迫られており、近藤副社長は「国内で知恵を出し合って頑張るしかない。地元の協力が不可欠だ」とし、地域との共存共栄を強調した。

 

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