首都圏で建設が続く超高層マンション。余裕のある間取りや眺望、充実した設備などが人気の理由だが、様々な問題も抱えている。第3部では超高層マンションの虚実を追う。
「館内は現金不要です」。東京都江東区にある築10年近い超高層マンション。この物件の分譲時の目玉がこれだった。
コンビニ、クリーニング、ラウンジバー、ジム、コンシェルジュサービス。このマンションはホテルを思わせる様々な施設やサービスを備えている。支払いは入館証を兼ねた1枚のカードで済み、すべて後払いだ。
■便利さの裏に
住人にはとても便利だったが、すぐに問題が起きた。多額の未収金が発生したのだ。「使うだけ使って引っ越すような人もいた」と管理組合の元理事長、田中和宏さん(仮名・44)は振り返る。
このクレジット機能をもつカードを導入したのは分譲業者だが、発行者は管理組合になっていた。物を売った業者は請求書を組合に送り、組合が各人の口座からお金を引き落とす仕組みだ。
このため、未収金があるとその回収は組合の仕事になった。「問題が多すぎる」と田中さんらは管理会社に掛け合ったものの、らちが明かない。結局、コンビニなどではこのカードを使えないようにシステムを変えた。
不動産経済研究所によると、首都圏でこの10年間に供給された超高層マンション(20階建て以上)は約9万8000戸に上る。豪華な施設やサービスは魅力的だが、それだけ管理費も膨らむ。
「年約1千万円という負担は管理費収入の1割近い。焼きたてパンのためにそこまで支出するのは難しい」。東京都足立区にある一部24階建て・5棟のイニシア千住曙町。管理組合の元理事長、応田治彦さん(49)はマンション内にあったベーカリーの廃止を決めた理由を説明する。
入居が始まった2009年3月からわずか1年半での廃止案に「焼きたてパンの店がマンション購入の決め手だったのに」などと反対論も相次いだ。しかし、店で働く従業員の人件費は管理組合の負担。「計算すると牛乳1本に300円を払っているに等しい」と応田さんは説得して回った。
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