ヱヴァ音楽制作上の、いくつかの「定石」。
Air Lyndhurst Hall(巨大教会ホール)で録音した全データは、当日深夜わがスタジオEastcoteに持ち帰り、
さっそく翌日いっぱいまで、すべてのテイクを試聴、OKテイク確認作業を集中して行う。
そしてオーケストラ録音の2日後からは、ホール階上の部屋(Air2か3)にエンジニアのRupert Coulsonと共にこもり、
まずは合唱を除き、オーケストラ部分だけのミックスを開始する。
これが「定石」の第一である。
なぜ、かならず2日後かは明白。
膨大な量のオーケストラ・テイクの綿密な記憶など、2日間の保持が限界だからだ。
なぜ、合唱を除くかは後述しよう。
じつは大敵は、演奏ミスではなく「ノイズ」。
良い環境(スタジオ、マイク、機材)において、大人数(80名以上)多マイク(50本以上)で録音すればするほど、
奏者の呼吸から、楽器を扱い、指が譜面に触れるなど、ほんの些細な物理音まで拾ってしまうもの。
なにしろ「カサッ」と雑音がしたら、50以上のトラックすべて「1トラックづつ」確認しながら、
それらをミリセカンド(1/1000)秒まで拡大して、ピンスポット消去していく作業は生半可ではない。
1回で、20 Cue(曲)は録音するから、その50トラックぶんとしても、のべ1000トラック、
しかも1000トラック各々が「数テイクぶん」「実時間ぶん」存在するのだから気が遠くなる。
さらに加えて、同じく50以上のトラック数の「合唱」が、まだ存在するのだ。
まずはオーケストラ「だけ」しかミックスしないのは、
そういう膨大な量の中から「順次、確実に」確認、選択、削除、整理していかなくてはならないから、
という理由がまず第一。
第二の理由として、
合唱は公開直前の最終段階において「出し入れ(映像により、聴かせる部分、カットする部分)」必須であろうし、
場合によっては「歌詞を変え、録音やり直し」も想定しなければならないから。
(じっさい今回は、なんと映画公開2週間前に、歌詞を書き換え、再録音を敢行した)
ゆえに「オーケストラと合唱は、常に別個にしておかねばならない」のも、また「定石」。
オーケストラで50以上、合唱で50以上、合計100以上のトラック、
そして、すでに『破』からの「定石」だが、
そのオーケストラも合唱も2倍、3倍に増やすことが、めずらしくない。
トラック総数が300、400まで膨らむということだ。
ここまででお察しの通り、
ヱヴァの音楽には「とてつもない数量をこなす時間」が、もう絶対、必要不可欠。
これもまた「定石」である。
この膨大なトラック数が、さらにやっかいなのは、
いかに日本有数の東京の大スタジオに入ろうが、
ヱヴァ音楽(そのProToolsセッション)だけは、絶対に立ち上がらないことである。
通常プロダクションの録音トラック数の常識範囲を大きく超えた、
とてつもないトラック数(たとえば歌手アーティスト録音の十数倍)ゆえに、
コンピュータ容量や、ソフト性能も含め、まず再生が不可能。
つまり単に聴くことさえままならないのだ。
Londonでも、ヱヴァと同数のトラック使用を常とするハリウッド大作の音楽制作が日常的に行われている
AirかAbbey Road Studiosでないと再生不可能なのだから、当然といえば当然だ。
かくして、本編制作基地「カラー」からもほど近い鷺巣のスタジオにて、
ヱヴァ音楽のあらゆるミックス作業が行われるのである。
もちろんParisでも、Londonでも、鷺巣のスタジオならば作業は可能だが、
なにしろ、カラーまで至近距離なのだから、監督もすぐ来られる。
あたりまえの「定石」である。
Air Lyndhurst Hall(巨大教会ホール)で録音した全データは、当日深夜わがスタジオEastcoteに持ち帰り、
さっそく翌日いっぱいまで、すべてのテイクを試聴、OKテイク確認作業を集中して行う。
そしてオーケストラ録音の2日後からは、ホール階上の部屋(Air2か3)にエンジニアのRupert Coulsonと共にこもり、
まずは合唱を除き、オーケストラ部分だけのミックスを開始する。
これが「定石」の第一である。
なぜ、かならず2日後かは明白。
膨大な量のオーケストラ・テイクの綿密な記憶など、2日間の保持が限界だからだ。
なぜ、合唱を除くかは後述しよう。
じつは大敵は、演奏ミスではなく「ノイズ」。
良い環境(スタジオ、マイク、機材)において、大人数(80名以上)多マイク(50本以上)で録音すればするほど、
奏者の呼吸から、楽器を扱い、指が譜面に触れるなど、ほんの些細な物理音まで拾ってしまうもの。
なにしろ「カサッ」と雑音がしたら、50以上のトラックすべて「1トラックづつ」確認しながら、
それらをミリセカンド(1/1000)秒まで拡大して、ピンスポット消去していく作業は生半可ではない。
1回で、20 Cue(曲)は録音するから、その50トラックぶんとしても、のべ1000トラック、
しかも1000トラック各々が「数テイクぶん」「実時間ぶん」存在するのだから気が遠くなる。
さらに加えて、同じく50以上のトラック数の「合唱」が、まだ存在するのだ。
まずはオーケストラ「だけ」しかミックスしないのは、
そういう膨大な量の中から「順次、確実に」確認、選択、削除、整理していかなくてはならないから、
という理由がまず第一。
第二の理由として、
合唱は公開直前の最終段階において「出し入れ(映像により、聴かせる部分、カットする部分)」必須であろうし、
場合によっては「歌詞を変え、録音やり直し」も想定しなければならないから。
(じっさい今回は、なんと映画公開2週間前に、歌詞を書き換え、再録音を敢行した)
ゆえに「オーケストラと合唱は、常に別個にしておかねばならない」のも、また「定石」。
オーケストラで50以上、合唱で50以上、合計100以上のトラック、
そして、すでに『破』からの「定石」だが、
そのオーケストラも合唱も2倍、3倍に増やすことが、めずらしくない。
トラック総数が300、400まで膨らむということだ。
ここまででお察しの通り、
ヱヴァの音楽には「とてつもない数量をこなす時間」が、もう絶対、必要不可欠。
これもまた「定石」である。
この膨大なトラック数が、さらにやっかいなのは、
いかに日本有数の東京の大スタジオに入ろうが、
ヱヴァ音楽(そのProToolsセッション)だけは、絶対に立ち上がらないことである。
通常プロダクションの録音トラック数の常識範囲を大きく超えた、
とてつもないトラック数(たとえば歌手アーティスト録音の十数倍)ゆえに、
コンピュータ容量や、ソフト性能も含め、まず再生が不可能。
つまり単に聴くことさえままならないのだ。
Londonでも、ヱヴァと同数のトラック使用を常とするハリウッド大作の音楽制作が日常的に行われている
AirかAbbey Road Studiosでないと再生不可能なのだから、当然といえば当然だ。
かくして、本編制作基地「カラー」からもほど近い鷺巣のスタジオにて、
ヱヴァ音楽のあらゆるミックス作業が行われるのである。
もちろんParisでも、Londonでも、鷺巣のスタジオならば作業は可能だが、
なにしろ、カラーまで至近距離なのだから、監督もすぐ来られる。
あたりまえの「定石」である。