政治団体:県内に「維新」7団体 「日本維新の会」とは無関係ですが… /奈良
毎日新聞 2012年11月16日 地方版
◇「まぎらわしい」県選管困惑
県内で「維新」の文字を含む名称の政治団体が、今年に入り既に7団体も県選管に届け出があったことが分かった。毎日新聞の取材で、いずれも日本維新の会(代表・橋下徹大阪市長)とは関係がないと判明。奈良では県議2人が維新の会県支部設立を目指して党本部と協議しているが、政治団体を発足させる場合は似たような名称になる可能性があり、事務作業を行う県選管は「まぎらわしい名称は避けてほしい」と困惑している。【釣田祐喜、伊澤拓也】
◇「嫌がらせ」「活動してない」
県選管によると、奈良維新の会▽なら維新の会▽香芝維新の会▽かしば維新の会−−の4団体が2月13日に設立。4団体の代表者は同じ人物で、県内に住む会社社長(69)だ。取材に応じ、「(5月の)香芝市長選で支援する候補の対立候補を、大阪維新の会が支援するとの情報があり、嫌がらせのつもりで届け出た」と説明した。
また、9月9日には奈良県維新の会▽奈良市維新の会▽大和維新の会−−の3団体が発足。この3団体の代表者は京都府在住の元奈良市議(61)で、「維新の会とは関係ない。活動していないし、設立の目的は言えない」としている。
政治資金規正法は、政党と政治資金団体については同一名称を禁じているものの、その他の政治団体は規定がない。このため、県選管は同じ名称で届け出があった場合は受理せざるを得ないが、政治資金収支報告書の事務処理などの際に混乱を招く恐れがあるとして、後から届け出た団体については再考を促すという。
維新の会と協定締結に向けて協議中の山本進章(のぶあき)県議(58)は「政治団体を設立するとしてもまだ先のことなので何とも言えない」と話している。