最近、20代の若者とのみに行く機会がけっこうある。
彼らはあまりアルコールは飲まない。僕は4,5杯のんじゃうんだけど、彼らは1パイ飲んで終わりか、まったく飲まない人が多い。
実は、最近、僕も酒の量を大幅に減らした。ここ2年間くらいほぼ毎日うだるように飲んできたので、ほんとにまずいとおもって、禁酒をしたのである。
効果があるといわれるこの本「
禁酒セラピー」を読んだのだが、効果てきめんだった。
2年間まったくお酒を抑えられなかったぼくが、2週間ほどまったく飲まなかったのである。
その後、完全禁酒までにいたってないが、いまでは、飲むのは週に1、2度くらいにへっている。
酒飲みはどうしても、お酒がない食事が味気ないものに感じてしまうし、お酒なしでは盛り上がれない。だが、これは習慣にすぎないと言う。
革命だったのは、別に酒をのまなくても、飲み会は楽しいという事実だ。純粋に食事をたのしめばよく、お話をすればいい。アルコールがなくても、食事は美味しいし、会話は楽しくできることがわかった。これは僕にとって革命だった。
先日も、もつ焼き屋にいったのだが、一緒にいったひとがアルコールをのまなかったので、僕もまったく飲まないのにチャレンジしてみた。ホッピーの外がノンアルコールでベストな飲料だ*。
その結果、かえってもつ焼きは美味しく感じるし、会話も何の問題なく盛り上がった。
そして、なにしろ会計が安いこと。
ビールは一杯500円、地酒は700円だが、ホッピーの外だけは250円である。
外食における半分はアルコール代であって、飲み代が4000円の場合、料理2000円、アルコールが2000円くらいだろう。このアルコールをのまなければ、ほぼ半額、そこまでいかなくても2/3になるだろう。
これは居酒屋の事例だが、レストランでもそうだ。5000円位のコースにワインをボトルで開けたら、8000、9000円くらいになってしまうことが多い。これがスパークリングウォーターあたりを頼んでおけば、たいがい600円くらいだし、それで十分食事が楽しめる。
ぼくは最近ノンアルコールでフレンチなどを食べることも結構ある。
とても経済的な上に、食事の美味しさは全く変わらないのだ。
おととい中華料理にいったけども、ドリンクはプーアル茶をポットで頼む(600円)でこれで、十分楽しめた。中華鍋を前菜を頼んで、二人で2900円の会計だった。これはいい。
若者のアルコール離れは、多分に経済的な側面もある。これが大きいのでは無いかと思う。
単純にビール600円(下手すると700円)は、高すぎると思うし、レストランにいって1本7000円も8000円もするワインなんか飲めるはずもない。
アルコールを飲まなければ、会計はかなり安くあがる。だから飲まない。単純な話。
若者はまだお酒を飲むのに慣れてないわけで、わざわざ飲みなれない酒をなんかを高い値段で注文するより水やお茶ですませたほうが節約できることを知っている。そしてお酒がなくても十分盛り上がる術を知っているのだ。もうアルコールを頼む必要はないのではないかとおもう。
これは本当に本当に賢いと思う。
なので、若者に見習って私も外で食事をするときは基本的にアルコールは注文しないことにした。
ただ、やっぱり、気になるのがソフトドリンクの品揃えの貧弱さだ。烏龍茶とコーラとオレンジジュースしかおいてないところが多くてこまる。ソフトドリンクはお子様むけになってしまっている。
なので、中国茶を頼める中華料理や、スパークリングウォーターがでるフレンチ・イタリアンか、ホッピーの外だけが頼めるオシャレでないもつ焼き屋が僕の推奨だ。
日本の夜の街は、間違いなく全部、飲み屋と化してしまっている。おちついて食事だけできる店が殆ど無い。外国にいくと、夜もちゃんと食事できるところが多い。レストラン&バーでも、レストランとして食事として利用できるところが普通だ。日本ではレストランも完全に居酒屋と化していて、夜には食事を楽しみたいひとは利用しずらいし割高だ。
日本でよるに食事だけしようとすると、ファーストフードチェーンで食べるしか無い。
食事の主役はやっぱり食事。そういう原点にかえって、ノンアルコールで楽しめる店が増えていくことを期待したい。
*ホッピーの外: ホッピーというのは外と中がある。外はビール風の麦芽飲料(ノンアルコール)、中というのは焼酎のことだ。これをお客が自分で混ぜ合わせることでアルコール入りのホッピーになる。
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作家 / コンサルタント / 現代アートコレクター