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人口減少 ニッポンの未来
【第5回】 2012年11月16日
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西川敦子 [フリーライター]

人口が減るのに街は失業者であふれる!?
「雇用貧乏国」ニッポンの厳しすぎる未来

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 これは、日本全体にとっても、そして個人にとってもかなり厳しい現実だ。たとえば、2012年版のIMDの国際競争力年鑑を見ると、日本の国際競争力は世界で27位。バブル期には1位だったけれど、どんどん順位を落としてしまった。今後、人口減少が進み、働き手が少なくなるにつれますます下がるのでは、と多くの人が予想しているよ。

 現役世代の負担もますます重くなるはず。それを表しているのが、生産年齢人口が、子どもと高齢者をどれだけ養うかを表す「従属人口指数(じゅうぞくじんこうしすう)」という指標だ。

従属人口指数=(子どもの人口+お年寄りの人口)÷生産年齢人口×100

 この公式にしたがって計算すると、2005年の従属人口指数は51.3だった。それが2010年には56.5に。さらに、2025年には68.1となる見込みだ。この指標は、その後もますます大きくなっていくと考えられており、2050年の従属人口指数は、なんと93.0だ。

 残念だけれど、このままでは将来、日本人の生活レベルは相当下がってしまうことになりそうだね。

働きたいのに働けない人があふれる理由

 「生産年齢人口が減れば、いいことだってあるんじゃない?」と言う人たちもいる。

 働き手が不足すると、企業は人手不足におちいり、女性や高齢者、身体障がい者を含め、たくさんの人を採用するようになる。結果的に失業者が減る――こんなシナリオも考えられるからね。

 でもね、最初に話したように、生産年齢人口が減っても、労働力不足になることはないんだ。

 まず、生産年齢人口が減るスピードを見てみよう。2010~2025年の生産年齢人口の減少率は、年率0.9%と予測されている。

 ところが、これを上回るスピードで進みそうな指標がある。「平均労働生産性上昇率(へいきんろうどうせいさんせいじょうしょうりつ)」だ。ちょっと長い名前だけど、労働の量に対してどれくらい生産できるかを表すものだよ。工場の機械化やロボット化などを進めたりすることで、上がる指標だ。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


人口減少 ニッポンの未来

現在、約1億2800万人と言われる日本の人口。しかし、国立社会保障・人口問題研究所では、人口が2030年には1億1522万人、さらに2060年には8674万人になるとの予測が立てられている。どんどん人口が減り、縮んでいく日本の社会。いったい私たちの行く手には何が待ち受けているのか?この連載では、これからの時代を担う今の子どもたちに読み聞かせる形式を取りながら、日本の未来をいろんな角度から覗いていく。

「人口減少 ニッポンの未来」

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